「もっと右」。「引っ張って」。「よし、いいぞ」。4月11日(日)9:30から、若松2丁目会(関本正栄会長)の20代から70代の老若男女20人が、勝納川に沿って330匹の鯉のぼりを設置した。
同町会の春の風物詩。約8年前に、町内の家々に鯉のぼりを飾りつけたのがきっかけ。今では勝納川の高架から国道5号線までの約400mに330匹を飾るまでに。
鯉のぼりは、商店街や市民など多くの人からの寄贈。札幌から小樽潮陵高に通う子供が毎朝通るので子供の時に使っていた鯉のぼりや45年ぶりに押入れから出てきた鯉のぼりに思い出があり捨てられないなど、寄贈した人の様々な思い入れがつまっている。
町会住民たちは、1本のロープに10匹の鯉のぼりをつけ、総務担当の日下幸一さん(58)の「もっと右。もう少し」などの合図で、川の両岸にロープを取り付けた。この作業を32回繰り返し、鯉のぼりの群れを作った。川沿いに立つフェンスにも10mの大きな鯉のぼりを設置し、雪解け水が轟々と流れる勝納川を、色とりどりの鯉のぼりで鮮やかに彩った。
この日は風が強く、ロープに吊るした鯉のぼりが勢い良く吹かれたが、住民たちの連携によって約3時間程度で設置作業を終わらせた。
日下さんは、「この鯉のぼり設置の火付け役である藤田正さんは亡くなってしまったが、俺たちが藤田さんの思いを引き継いで、なんとしても設置作業を続けていく」と、春の風に吹かれて力強く舞う鯉のぼりの群れを眺めていた。
様々な思いがつまった鯉のぼりたちは、5月9日(日)まで勝納川で元気に泳ぐ。