「最後の手段」で財政健全化 累積赤字解消1年前倒し


 小樽市は、3月15(月)、「財政健全化計画(一般会計)の収支計画の見直し」を、市議会第1回定例会総務常任委員会で報告した。
 市は、これまで一般会計の累積赤字を2012(平成24)年度で解消する計画だったが、今回の見直しで、1年早い2011(平成23)年度で解消する前倒し変更を行った。
 一般会計の累積赤字は、企業会計からの借入れ、特定目的資金基金の取崩し、職員手当等の削減などで、2008(平成20)年度決算で、2007(平成19)年度の12億9,700万円から6億3,800万円に半減した。
 2009(平成21)年度最終予算では、1億6,700万円の単年度黒字を確保する見込みで、累積赤字は4億9,700万円に減少する見通し。さらに、2010(平成22)年度で、計画通り3億7,400万円の単年度黒字を確保すれば、累積赤字は1億1,800万円にまで減るという。2011(平成23)年度に、残りの1億1,800万円分の黒字を確保すれば、累積赤字が消える計算をしている。
 しかし、財源対策の一つとされる下水道事業からの借入れは、2011(平成23)年度・7億6,200万円(現行計画6億8,000万円)、2012(平成24)年度は7億8,100万円(同7億円)と、1億6,300万円も水増し計上しており、単なる赤字先延ばし策にしか過ぎない収支計画となっている。
 他会計からの借入れは、財政運営の「最後の手段」(市財政部)で、財政健全化計画上は累積赤字が消えたとしても、他会計からの借入れや基金の取崩しなどの借金まみれの厳しい財政状況に変わりはなく、実質的な財政健全化には程遠い。
 総務常任委員会で、市財政部は、「他会計からの借入れは最後の手段で、他会計からの借入れなく財政運営をしたい」と、菊地葉子委員(共産)の質問に答えた。
 また、病院会計が収支計画よりも8億円落ち込んでいる問題で、貞原正夫財政部長は、「現行の収支計画には、当初の病院の不良債務解消分以外は入っていない。平成21年度決算や、平成22年度の交付税の状況、病院の収支計画を見て、一般会計からの繰入れを見直すか検討しないといけない」と述べた。関連記事
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 財政健全化計画(一般会計)の収支計画の見直し