小樽市建設部まちづくり推進室は、3月15日(月)、旧国鉄手宮線活用計画(抜粋版)を公表した。
同計画では、小樽市総合博物館から寿司屋通りまでの延長1,670m・面積22,490平米の旧国鉄手宮線を、4つのゾーンに分け、情報発信や市民・観光客の憩いの場、イベント会場などに活用することにしている。
同線(小樽手宮ー札幌間)は、1880(明治13)年に、北海道初、国内3番目の鉄道として開通。道内と本州を結ぶ石炭輸送の大動脈として活躍したが、石油エネルギーへの転換で、1985(昭和60)年に営業を停止した。
市は、2001(平成13)年に、駅前中央通りから寿司屋通りまでの510m・面積6,290平米を、1億9,000万円(土地購入費1億3,800万円・整備費5,200万円)かけて散策路に整備した。現在、オープンスペースとして、雪あかりの路や鉄路写真展、がらす市などのイベントで利用されている。
2007(平成19)年には、新たに市総合博物館から駅前中央通りに至る1,160m・面積16,200平米を、小樽市土地開発公社が1億8,000万円で購入。市は、2011(平成23)年度までに土地開発公社から買戻す方針。こちら
今回示された計画は、市総合博物館から旧日本郵船(株)小樽支店までをAゾーン、旧日本郵船~臨港線をBゾーン、臨港線~仲見世通りをCゾーン、仲見世通り~寿司屋通りをDゾーンとし、各所にステーションとエントランス広場を設けることにしている。
旧日本郵船と運河公園、北運河が隣接するAゾーンは、「海運とともにあった小樽を感じることができるエリア」と、旧日本郵船裏にはステーションを設置し、休憩や交流活動が出来る広場に整備する。Aゾーン
旧日本郵船から臨港線までのBゾーンは、かつての手宮駅の姿を伝える場に。Bゾーン
駅前中央通りと接するCゾーンは、これまでのイベント広場としての活用とともに、民間観光施設、公園、市民センターマリンホール、中央市場などとの連携で、「今後も交流の広がりが期待される」。Cゾーン
寿司屋通りが隣接するDゾーンは、2010(平成22)年度に、1,000万円の予算で、かつての色内駅をモチーフとした休憩施設を設置する。Dゾーン
「小樽市第6次総合計画」の2009(平成21)年度から2013(平成25)年度までの前期実施計画では、この旧国鉄手宮線活用促進事業に2億6,180万円を予定している。しかし、このうちの1億8,000万円で、土地開発公社が先行して購入していた土地を買戻すことにしており、整備費としては8,000万円だけになる。活用計画の策定費は、180万円。
15日(月)に開かれた建設常任委員会で、市まちづくり推進室は、「今後の活用は、2010(平成22)年度に具体的に検討を進める」と述べた。佐藤禎洋委員(自民)から、「計画に載せた2億6,000万円のうち、整備費が8,000万円しかないが、歴史まちづくり法を活用して国から補助金をもらって事業の拡大は出来ないのか」と質したのに対し、同室は、「庁内で検討したい」と答えた。歴史まちづくり法
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