旧青山別邸内にLEDランプ 美術品を保全


otarukihinkanLED.jpg 小樽貴賓館(祝津3・佐藤裕子代表取締役)は、にしん御殿「旧青山別邸」内の襖絵や書などの美術品保管のため、全国でも珍しい、LED電球によるライトアップ整備を行った。同館では、全国にある「旧○○家」という古い建造物では先駆けと話している。
 同館は、鰊漁で巨万の富を築き上げた網元・青山家が建てた別荘を、内部公開するとともに、祝津地区にちなんだ食事を提供する観光施設。
 この「旧青山別邸」は、二代目政吉が、1917(大正6)年から6年半かけて建てた。18室の各部屋には、襖絵や書が配置され、北海道屈指の美術豪邸と言われている。市の歴史的建造物第3号に指定されている。
 邸内の美術品を、「紫外線や赤外線から守り、そのままの色合いで後世に残したい」と、2月下旬から1ヶ月かけて、紫外線の出ないLEDランプ(1個12,000円)を80個設置した。襖書には昼白色、襖絵には昼白色と電球色の2種類を組合せて色を和らげる工夫を凝らした。
 これまではハロゲンランプを25個設置していたが、夕暮れ時や雨や曇りなどの天候によって室内が暗くなり、絵の細部まで見えづらくなることもあった。このLEDランプの設置によって、9ワットの出力で75ワットレベルの明るさになり、さらに35%の電気量を削減することになったという。
 「最大の目的は美術品を守ること。地球に優しいエコにも取り組みたいという思いもありました。比叡山延暦寺でもLEDが使われるようになったので、これからどんどん広がっていくと思う」(佐藤美智夫オーナー)。
 小樽貴賓館HP