高額療養費未請求 当事者補てん2/3・市長は給料減額


kougakuryouyouhi-syutyusingi.JPG 小樽市議会第1回定例会の予算特別委員会(横田久俊委員長)の6日目・11日(木)13:00~17:00、市役所別館第2委員会室で、高額療養費未請求問題の集中審議が行われた。
 市は、請求事務を全く行わず6,700万円の損害を与えた職員に、道返還分(3,400万円・職員厚生会振興基金寄付)を除く、3,300万円の3分の2の返還を求めていることを明らかにした。また、山田勝麿市長は、給料を削減して責任を果たすことを初めて述べた。
 市医療保険部・総務部は、未請求問題発生に至る事実関係の詳細、損失補てん、再発防止、検討委員会委員及び活動状況など4項目をまとめたA4版・26ページの「高額療養費未請求事件調査検討委員会報告書」を提出した。こちら
 事実関係の詳細では、担当者と係長、課長など7人からの聞取り調査の内容が明らかにされた。また、再発を防ぐために、発想の転換・複数の職員による業務のチェック、ジョブローテーション、決裁の在り方を考える、責任のある業務の引継ぎをなどが明記されたが、「心掛ける」との努力目標に留まる項目も散見された。
 11日(木)の質疑では、「悪いのは小樽市。不真面目な小樽市。道から指摘されても反論出来ないのは小樽市」(共産党・古沢勝則委員)。「登別市の事例が発覚した時に厚生常任委員会で質問すれば良かった」(自民党・濱本進委員)。
 「1年前に発覚したのに、議会に対して何も報告がないのは議会軽視」(公明党・高橋克幸委員)。「なぜ市役所の中で、こんなことが起こるのか。なぜこんな穴が出来たのか」(民主市民連合・斎藤博行委員)。
 「担当者・市の責任があるが、チェックを果たせなかった議会にも原因がある。再発防止については、3~4倍しっかりしたものを出さないといけない」(平成会・成田祐樹委員)など、批判が次々に出された。中には、高額療養費の未請求をチェック出来なかった議会にも問題があるとの指摘も。
 山﨑範夫総務部長は、道返還分を除く3,300万円の補てんに対し、「基本的な考え方として、当事者が補てんすることを考えているが、現実、この金額の返済は厳しいものがある。当時の上司5~6人に話をし、協力を求めたが理解が得られ、関係したOB職員にも話をして、金額には差があるが、5人ほどだが協力が得られる。管理職の部長・次長・課長、特別職、消防・水道局も含めて整理し、残った金額を当事者から返してもらう。全額を一気に返せないので長期間かかっても返してもらう。関係者との話しで3分の1程度協力してもらう。残りの3分の2は本人が返す」と、民主市民・斎藤委員と公明・高橋委員の質問に答え明らかにした。
 また、職員課は、職員の処分に対し、「本人、当時の管理監督者の7人が、行政処分の対象になる」と、自民・濱本委員の質問に答えた。
 山田勝麿市長は、「給料の何%か、何十%か、削減して責任を果たしたいと考えている。臨時会があるので、この時に提案出来ればと考えている」と、初めて自らの責任について述べた。
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 「高額療養費未請求事件調査検討委員会報告書」