前理事長による経費の私的流用、裏金作りなどで民事訴訟を起こしている株式会社小樽ゴルフ場と小樽カントリー倶楽部((銭函3・高田義人代表取締役・理事長)は、3月6日(土)、第49期定時株主総会と定時総会を、グランドパーク小樽(築港)で開いた。出席した178人(委任状含)の株主・会員は、人事案件などの議案を承認した。
小樽ゴルフ場は、小樽カントリー倶楽部にゴルフ場施設(土地・建物・設備)を一括賃貸し、収入を得ている会社。株主総会では、第49期(平成21年1月1日から平成21年12月31日まで)の事業報告、計算書類の内容、会計監査人および監査役員の計算書類監査結果、監査役2名と会計監査人の選任を提案した。
49期は、金利相当分の特別賃貸料収入が減少したことで、収入実績が1億5,5,18万円(前年同期比1.2%減少)、資産の購入による減価償却費 6,494万4,000円(同6,232万6,000円)の増加などによって、経常利益は74万6,000円(前年同期708万1,000円)となった。しかし、前理事長の不正で発生した過年度法人税などが税引前当期純利益を上回ったことで、107万9,000円の当期純損失計上となった。
「税務調査により過去の大きな不祥事が発覚し、株主の皆様には大変ご迷惑をお掛けしご心配を頂きました。臨時総会以降、経営体制を一新して透明性のある経営の確立と厳正な監査を実施いたしております。なお、小樽カントリー倶楽部との事業統合を含めた経営形態を引き続き検討して参ります」とした。
監査役には、山田龍一氏(元株式会社NTTドコモ北海道常勤監査役)と、西島千城氏(豊平製鋼株式会社顧問)の2名を選んだ。任期は、第51期定時株主総会終結の時まで。会計監査人には、瑞輝監査法人を選任した。
5分間の休憩後に開かれた小樽カントリー倶楽部の定時総会では、平成21年度事業報告・決算報告、平成22年度事業計画・収支予算、理事10名・監事2名の選任、定款一部変更を提案した。
平成21年度事業では、「会員各位にお詫びしなければならないのは、6月に長年にわたって継続されてきた多額の不正な支出が税務調査により発覚したことです。このことにより、理事長や常務理事が辞任することとなり、会員各位はもとよりゴルフ関係者などに多大なご迷惑をお掛けし、また多くのご批判を頂きましたことに対し、衷心よりお詫び申し上げます」と述べ、不正発覚後の取組みについて報告した。
決算では、ゴルフ場と同様、経常利益は2,326万8,957円となったが、前理事長の不正で発生した過年度法人税などが、税引前当期純利益を上回ったことで、-160万7,043円の当期純損失計上となった。
理事10名の選任では、昨年9月28日開催の臨時総会で、暫定的に選任された10名の任期が満了となったため、引き続き10名を再任した。監事2名には、佐藤正夫氏を再任、安積孝三氏を新たに選任した。
今回の不正が前理事長のワンマン体制によって行われたとして、運営体制の独占化を排除することを目的に、定款に、「理事長の任期は最長4期8年とする」ことを新たに盛り込んだ。また、役員任期は数え年77歳の喜寿の祝いを迎えた期を限度とする、財務管理に補佐役として財務委員会委員長を充てるとの細則も加えた。
総会後の理事会では、理事長に高田義人氏、キャプテンに長谷川修三氏、常務理事に村木重夫氏、財務理事に古川健氏を選任した。
「裁判については係争中で言えない。道内のゴルフ場では、入場者数が、前年度と比較して落ちているのに、小樽カントリー倶楽部は増えている。理事会の希望としては、来年の総会には、小樽ゴルフ場と小樽カントリー倶楽部を統合する具体的な案を示したいと思っている」(村木常務理事)と述べた。
◎関連記事1 関連記事2 関連記事3 関連記事4