小樽市の一市民が原告となり、山田勝麿小樽市長を被告とする住民訴訟の損害賠償履行請求事件の第9回口頭弁論が、2月25日(木)14:00から、札幌地方裁判所701号法廷で開かれた。
この住民訴訟では、市内稲穂在住の松浦光紀氏(64)が、山田市長が選挙公約として市内築港地区で進めていた新市立病院建設で発注した基本設計を中断し、2,581万円の委託料を設計会社に支払ったのは違法・不当であり、市に返還を求めている。
札幌地方裁判所第3部合議係(橋詰均裁判長)で開かれた第9回口頭弁論では、原告・被告から証人尋問に立つ証人の陳述書と原告から被告の第4・第5準備書面に反論する第4準備書面が提出された。この日は、証人尋問の証人採用についてと期日指定について論議がされた。
証人尋問の証人には、被告側は、前回に吉川勝久・小樽市病院局経営管理部長を当てることを明らかにしていた。今回、原告側は、公立病院改革問題で主導的役割を果たしている公認会計士の長隆氏を当てることを明らかにするとともに、市長の証人申出も併せて行った。
これに対し、橋詰裁判長は、「被告から、証人吉川氏の陳述書、原告からの第4準備書面及び証人申請書・陳述書の提出をされた。長氏と吉川氏を証人と認め、現段階では山田市長は必要と認められない」とした。
松浦氏は「選挙公約や起債申請の判断に深く関わりがあるので、ぜひとも市長の証言を聞きたい。吉川氏の証言を聞いてから判断して欲しい」と申し出た。
裁判長は「起債申請に関して、客観的な判断をするには、財務に関わる人間から話を聞くのが好ましいが、吉川氏の証言を聞いた上で判断する」とした。また、「長氏の陳述書には、厳しい指摘が多々あるので、長氏からはぜひ直接話を聞きたいと思う」と、証人採用を決めた。
証人尋問の期日は、5月13日(木)13:30からと決まった。これにより、次回は、証人尋問で起債についての可能性があったのかが争われることになる。
◎長隆氏の陳述書
◎吉川勝久・小樽市病院局経営管理部長の陳述書
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