深々と雪降る奥沢墓地(奥沢5)で、2月20日(土)13:30から、プロレタリア作家・小林多喜二の没後77年の墓前祭が行われた。
代表作・蟹工船で知られる小林多喜二(1903.10~1933.2)は、秋田に生まれて小樽で育ち、小樽高商(小樽商科大学)で学んだ。29歳という若さで、当時の特高警察の拷問によって虐殺され、奥沢墓地で静かに眠る。没後55年から毎年、多喜二祭(小樽多喜二祭実行委員会主催)が開かれている。
墓前祭には、120人もの参加者が集まり、手に手に真っ赤なカーネーションを握り締め、多喜二の墓を囲んだ。この日は、深々と雪が降る天候となり、参加者たちの頭や肩には白い雪が積み重なっていた。
寺井勝夫実行委員長は、「こよなく小樽を愛した多喜二の足跡を想起する月でもございます。彼が全身を投げ打って働く人々の幸せと、平和のために、時の支配権力の圧制に抗して戦い倒れた。その足跡が、あの蟹工船ブームに見られるように、今ここに新たなよみがえりを見せていることに、歴史の前進というものを考えないわけにはいきません」と挨拶した。
参加者たちは、カーネーションを次々に墓前に献花し、道半ばでこの世を去った多喜二を偲んだ。
18:30からは市民センター・マリンホール(色内2)で音楽と講演の夕べが開かれる。小樽育ちのソプラノ歌手・清水紫さんの独唱と小樽商大の荻野富士夫教授の講演「小林多喜二の手紙から」が行われる。参加料:1,000円。