道内初の田上義也記念室 坂牛邸内にオープン

 北海道を代表する建築家・田上義也の記念室が、2月13日(土)、田上が設計した坂牛邸(入船5)内に、道内で初めて開設された。
 田上義也は、1899(明治32)年に栃木県那須野原開拓地で生まれた。本名は吉也。建築家として、大正から昭和にかけて北海道を拠点に活躍し、近代建築の父とも言われた。
 アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトに師事し、帝国ホテルの設計に参加した。映画「Love Letter」のロケ地となった坂別邸(小樽市見晴町・2007年焼失)の設計でも知られている。
 これまで、田上義也の記念室は、道内にもなかった。同氏設計の坂牛邸(入船5)の活用策を模索していたNPO小樽ワークス(遠藤謙一良代表)は、13日(土)から、記念室をこの邸内にオープンした。
 坂牛邸は、小樽新聞社重役だった坂牛直太郎邸として、1927(昭和2)年に建てられた。工費は、家具別で8,000円。小樽花園公園にある白樺林に面して建つ。1階には八角形の応接間があり、モダンな洋館となっている。
 小樽ワークスは、寝室や子供部屋など3分の1の面積を利用して、田上直筆の坂牛邸をはじめとする建物の設計図や写真、建物模型など約60点を展示している。
 13日(土)15:00~17:00には、オープンを祝う会を開いた。坂牛邸当主をはじめ、田上義也の息子・田上茂氏、角幸博氏(北海道大学大学院工学研究科建築史意匠学研究室教授)、駒木定正氏(北海道職業能力開発大学校助教授)などが出席し、坂牛家との交流や生活、邸宅の実測調査についてのエピソードが披露された。
 坂牛邸および田上義也記念室は、2月14日(日)から、金・土・日の週末のみ10:00~15:00の開館となっている。入館料:300円。
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