小樽市議会(見楚谷登志議長)は、2月2日(火)に発覚した市の高額療養費の不適切な事務取扱いの問題で、3日(水)11:00~12:00、市役所別館第2応接室で、緊急の各会派代表者会議を開いた。
この重度心身障害者・ひとり親家庭・乳幼児を対象とした福祉医療助成制度の高額療養費の未請求問題は、市が立て替え払いした費用の請求を一担当職員が怠り、これを4年間もチェック出来なかったことで、総額6,751万494円もの歳入不足となり、市に大きな損害を与えている。関連記事
緊急の各会派代表者会議には、見楚谷議長をはじめ、佐野治男副議長、横田久俊議員会長(自民)、高橋克幸副団長(公明)、北野義紀団長(共産)、佐々木勝利会長(民主市民連合)、大橋一弘会長(平成)の7名。市側から、山﨑範夫総務部長、中村浩医療保険部長の2名が出席。各会派の議員も傍聴した。
冒頭、山﨑総務部長が、「高額療養費の未請求について、大変ご迷惑をおかけしております。市民の皆様にお詫び申し上げます」と陳謝。中村医療保険部長が概要を説明した。
北野団長は、「組織に責任のないように聞こえるマスコミの報道になっているが、真偽は分からないが、組織としては新たな事態を防ぐチェック体制を明確にする必要があると思う。今朝も、うちの部屋に何人かから怒りの声があった。『6,700万円も損害与えて、どうなってんだ。登別は全職員で弁済したが、小樽市はどうするのか』という市民の怒りの声があるので、当議会で、時間をかけたやり方をすべき」
横田議員会長は、「やり方はこれから詰めるにしても、しかるべき特別委員会等の設置も考えた方が良い。あまりにも額が大きいので、原因を追求していかなければならない」
高橋副団長は、「財政健全化を一生懸命している中で、6,700万円を損失するのは大変大きな問題。登別市議会では、調査特別委員会をすぐに設置し、24回も議論を行っている。そういうことを考えると、我々としてもたくさん色んな質問をしたい、もしくは色々調べなければならないことを考えると、厚生常任委員会の報告は結構だが、予特をやっても十分審議時間がとれない。原因を究明して、再発防止までやるには、一定程度の時間が必要。調査特別委員会を設置する方向で検討するべき」
大橋会長は、「立て替えていた金が、長期にわたって市に収入として戻ってきてなくても気づかなかった市の中身のどこかに欠点があったのではと思う。議会としては、理事者からの答弁を求める以外に、職員に聞くなり、調査する行動を起こさなければならない。今回は市職員が仕事を溜めたという話だが、そうじゃない部分もあるという思いがする」
佐々木会長は、「特別委員会を設置するにも、色々と整理しなければならない」とした。
これらの意見を受けて、見楚谷議長は、2月19日(金)に所管の厚生常任委員会を開き、調査特別委員会の設置を視野に入れながら、2月末開会予定の第1回定例会の予算特別委員会を1日増やし7日間にし、集中審議することを提案した。各会派の代表者もそれに同意した。
山﨑総務部長は、「登別の場合は制度そのものが分からなかったという問題。我々の場合は、一職員。この人間は(制度を)分かっていた。本人と話をし、本人が2ヶ月仕事をしていて、3ヶ月目からしなくなり、請求事務を怠った。恥ずかしい話で、言える話ではないがこれが現実です。これが続いていて、それをチェック出来なかった係長、課長も責任が大きい。原因は間違いなくそこにあります。登別とは意味が違う。徹底的に本人に処分を行う。損失の補填の考え方も、基本的に税金を使わない立場」と述べた。