街づくりを考える民間団体「小樽再生フォーラム」(篠崎恒夫代表)が旧板谷邸(海宝楼・東雲町1)敷地内での9階建の賃貸マンション建設で、工事の一時凍結と、新たな地区規制を設けるための署名活動を行っている。
このマンション建設計画は、2009(平成21)年3月に浮上した。ホテルソニアを経営する株式会社不動産リサーチ(札幌・菅原宝珠代表取締役)が所有する、旧板谷邸敷地面積の4分の1の日銀寄り北西側に、1LDK~3LDK・52戸の賃貸マンション「AMS東雲」(9階建・25m)を建てるというもの。関連記事
市歴史的建造物で道内有数の大邸宅・旧板谷邸が建つ同所は、市の特別景観地区に指定されている。
堺町通りから25mの高台に、さらに25mの高層マンションが建つことから、市やまちづくり団体は、「景観上は好ましくない」と、不動産リサーチと協議を行ってきた。また同社は、地域住民と市民団体を対象とした説明会を4回行った。
市議会でも、「板谷邸隣接地にマンションはいかがなものか」、「周辺の景観と合致するのか」、「市のまちづくりとはなにか」などと論議を呼んだが、1月20日付で建設許可が下りた。
このため、同フォーラムでは、「天狗の山並みに囲まれていた小樽の空が、マンションの塊により、山の稜線が隠されようとしています。早急な建設に冷却期間を求め、建設業者に敷地の文化価値的な利用を要望する。将来に向けては、下の堺町通りから見て50mが許される地区規制の内容を改め、空が塞がれないような施策が必要となります。高層マンションが可能な地域と望ましくない地域とを市民合意の下に区分けする段取りの要請と、高さ規制も下の基盤から測った高さに制限するものに切り替える必要があります」と、2月19日(金)から”小樽の空を守る市民署名”を集めている。
3月末までに1,000人分の署名を集め、建設業者と市に提出することにしている。
マンション建設工期は、2010(平成22)年3月20日着工、2011(平成23)年2月20日工事完了となっている。
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