正月休みが明けた1月4日(月)、小樽市役所は仕事始めとなり、山田勝麿市長が、10:30から年始市長記者会見を開いた。
市長は、財政再建、中心市街地活性化、病院問題などについて述べた。
市の財政再建の問題については、「先ほど、仕事始めの式で、職員の皆さんにお礼を申し上げたのですけれども、給与削減、期末手当の削減が一番大きい要因で、大幅に累積赤字を解消出来ました。平成21年度の財政見通しは、普通交付税は予算を上回っていますが、20年度の赤字6億5,900万円を引き継いでますから、税収の落ち込みも4億5,000万円ではないかと話を聞いておりまして、懸念しております。
一方、これから3ヶ月ありますので、その間に、新たな財政支出が突発的に出てくる可能性もありますので、20年度よりも厳しい状況も予測される。いずれにしても、今後、財政健全化計画で見込んでおります黒字1億1,600万円の確保に向けて、全庁上げて健全化に取り組んでいきたい。
22年度予算はこれから編成に入りますが、3期目最後の予算となりまして、国の予算編成も大枠が決まったようですから、可能な限り情報収集しながら、これから予算編成にあたっていきたい」。
中心市街地活性化の問題は、「丸井今井の跡、グランドホテルの跡、丸井の跡については4年が経過しましたので、さらにグランドホテルが抜けて、中心市街地の空洞化が目立ってきており、心配事です。なんとか早期に解決しなければいけないと思っておりますが、現在、小樽開発の方でコンサルの関係者と水面下で協議していると聞いているが、まだ見通しは立っていない状況でございます。我々も情報収集に努めながら、、一日も早い再開に向けて最大限の協力をしていきたいと思っております」。
病院の問題では、「市立病院の統合新築ですけども、なんといっても、医師の流出によりまして、市立病院の診療科を取り止めたとか、縮小したという科もあって、市民の皆さんに不便をかけている状況でございます。医師確保については、並木病院局長が一生懸命取り組んでおりますが、新病院の建設のメドを大学医局の方に示すということが必要でして、なんとしても、今年中というか、出来るだけ早くに示せるようにしたい。
年末に量徳小PTAの皆さん、あるいは地域の皆さんと懇談会をやりまして、これまでの経緯、疑問にお答えしましたが、若干、以前とは違った感じの印象を受けたし、PTA会長からも市長の思いを言えということで、私も現在地プラス量徳小学校の敷地が、まあ、理想でないですかという話をさせてもらいました。新病院という大きい問題、それから学校という問題、どちらも市にとっても住民の皆さんにとっても、難しい問題ですけども、出来るだけ早く関係団体と話し合いをさらに進めて、方針を決めていきたい」と述べた。
このほか、地場産品の販路拡大、移住対策、国際交流、文学館・美術館のリニューアルなど、22年以降の取り組みを発表した。
市議会議事堂に約200名の幹部職員などを集めた仕事始めの式では、「司馬遼太郎の坂之上の雲が注目を浴びていますが、その中で、海軍の参謀として秋山真之が登場します。彼は、ロシアに対抗できるだけの海軍を建設しようとすれば何年もかかってしまう。それよりも敵の船を沈めてしまった方が早いと言って、港の閉塞作戦を立案します。港の入り口が、狭いのでここを閉鎖して港内にいる軍艦を閉じ込めるというものです。正に発想の転換であります。私はこういう発想は大好きです。どうか皆さんも発想を転換して仕事に当たって下さい。健康に十分留意して元気で市民のために役に立つ市役所を目指して頑張って下さい」と挨拶した。