2002(平成14)年に閉鎖された旧三井銀行小樽支店で、歴史的建造物とアートについて考える「小樽アートフォーラム~アートによる小樽再生を目指して~」が、2月11日(木・祝)14:00~17:30に開かれる。
NPO小樽ワークス(遠藤謙一良代表)の主催。北海道を代表する建築家・田上義也氏が設計した坂牛邸(入船5)の保存・再生・活用の活動を行っている団体。
現在美術・環境計画を中心に数多くのプロジェクトを展開する芹沢高志氏の基調講演「いかにしてアートは都市に働きかけるか」と、建築・環境造形アーティストの山田良氏のセミナーを行う。地域資源活用プログラム等補助メニューについてのプレゼンテーションも予定。
「アート空間という新しい形で歴史的建造物が再生し、過去と現在が空間と時間が共存する魅力的な小樽の未来を考える」としている。入場無料。
「第12回小樽雪あかりの路」の開催(2/5~14)に併せ、2月6日(土)から14日(日)まで、同建物を無料公開し、「第1回小樽/北のウォール街アートプロジェクト2010」も開く。
山田氏の作品「Breathing Landscape」をメインロビー天井に、「痕跡のディティールⅠ、Ⅱ、Ⅲ」を金庫室に展示し、歴史的な銀行建築と現代アートがコラボレーションする。「のちに伝えるべき”生きた風景”としてとらえ直す試み」としている
旧三井銀行小樽支店は、関東大震災(大正12年9月1日)後に初めて設計された鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)の銀行建築として注目された建物。1926(大正15)年着工、1927年(昭和2年)に完成した。
石積みの壁面にアーチ窓を5つ連ね、軒に彫刻模様を施すルネッサンス様式の外観が特徴。夜間には、この重厚な外観がライトアップに浮かび上がる。2002年11月18日に閉鎖し、札幌支店に統合され、建造物は「白い恋人」の石屋製菓が購入した。
しばらく閉鎖状態が続いていたが、このほど、所有者の石屋製菓協力を得て、同建物でアートプロジェクトとアートフォーラムが開催されることになった。雪あかりの路の期間中とあって、正面玄関周辺には、スノーキャンドルなどでロウソクの灯りをともす予定。