高島沖の海底には、太平洋戦争後に残存弾薬を投棄中に誤爆して沈没した「眞岡丸」(1212トン)が眠っている。
この「眞岡丸遭難事件」から64年。12月9日(水)から、命日の15日(火)まで、「眞岡丸」の水中写真を展示する「写真展『小樽(ここ)に帰りたかった』」が、北海道新聞小樽支社1階ギャラリー(稲穂2)で開かれる。
写真展を開くのは、太平洋戦争によって北海道近海に沈んだ戦没船を調査・慰霊する任意団体「1708プラス実行委員会」(田中正文代表)。
同実行委は、戦禍で沈没した日本艦船の潜水慰霊と調査撮影を行う写真家の田中代表(50)が、2008(平成20)年7月に、高島沖で「眞岡丸」の調査を行ったことを機に、今年4月に有志により結成された。
「眞岡丸」は、1945(昭和20)年12月15日、GHQの命令により残存弾薬の海洋投棄を行っていたが、高島沖で誤爆し沈没した。乗員・労務者合わせ87名全員が死亡した。
この調査結果が5月にまとまり、「ゆかりの深いこの小樽の地で、多くの方々に、この事故と現在の様子を伝え、犠牲者を追悼するとともに平和への意識を改めて確固たるものにしてゆくことに寄与したい」と写真展を開催することにした。
「眞岡丸」の水中写真のほか、太平洋戦争により沈没した内外の戦没船・戦没航空機などの写真展示と、ビデオ映像を上映する。命日の15日(火)18:30からは、同支社3階ホールで講演を行う。「小樽の港の灯を見ることのできなかった犠牲者の無念と、その死の意味を考え、未来に引き継ぐ」としている。
写真展は、12月9日(水)から15日(火)9:30~17:30まで。講演は、15日(火)18:00開場・18:30開演。いずれも入場無料。講演の定員は100名。問合せ:090-1531-4850