小樽近海産のにしんと子持ち昆布、そば粉、ねまり芋など地元食材を使った「小樽群来(くき)そば」が、11月27日(金)に完成した。
「小樽群来そば」を作ったのは、「鰊プロジェクト実行委員会」(須藤雅司委員長)。市内の会社員や、海事事業者、観光業者などが参加し、にしんをコンセプトに小樽の魅力を発信している。
”群来”とは、産卵期を迎えたにしんが大群で浅瀬に押し寄せて産卵し、海が白子で乳白色に染まる現象。今年2月、小樽港第3ふ頭や東小樽海岸など市内5カ所でこの現象が起こった。これを目にした須藤実行委員長が感動し、”群来”をイメージさせるにしんそば作りを始めた。
小樽市内のそば店には、にしんをそばに乗せた「にしんそば」があり、これに白子の乳白色を連想させる山芋を加えた。「にしんは昆布に産卵する」と、山芋をかけたにしんそばに、昆布とにしんの子供の数の子をトッピングし、試作品を作った。3月に実行委メンバーの試食会を行った。関連記事
しかし、せっかく作るなら、「全て小樽産の群来そばが良い」と、今春には、忍路の「水車の会」の協力を得て、300坪に”きたわせ”というそば種約3kgを手蒔きした。9月には収穫を行ったが、天候不順などの影響から予定よりも少ない約10kg(100人分程度)となった。関連記事
収穫した玄そばを乾燥させて製粉しそば打ちを行い、11月27日(金)にお披露目会を開いた。約30人の関係者たちを集め、まずは小樽産のそばの味。この後、鰊の甘露煮やねまりいも、昆布など全て地元食材の「冷やし小樽群来そば」を提供した。
参加者たちからは、「シコシコしているそばに、山芋が絡まり、美味しい」。「数の子のプチプチとした食感がアクセントに良い」と好評を博した。「にしんそばだから、にしんの甘露煮一枚にこだわったのだろうけど、半分でも良いかもしれない」との意見も出された。
同実行委では、来年から市内のそば店で市民や観光客が食べられるようにと、小樽蕎麦商組合にメニュー化の交渉をしている。「小樽の歴史とロマンがつまった”小樽群来そば”が、小樽の新しい名物になったら面白い。小樽から鰊が獲れた町にも普及したら、鰊の町の活性化につながるかも」と期待を寄せている。