小樽ジャンプ少年団(竹内賢司団長)のOBや父母たちは、今シーズンの本格的な練習開始を前に、ホームの潮見台シャンツェ(潮見台2)の改修工事に熱心に取り組んでいる。
ジャンプ少年団は、札幌冬季オリンピックの翌年1973(昭和48)年に発足した。昭和50年代の最盛期には、120名ほどの団員を誇り、八木弘和・宮平秀治などのオリンピック選手を輩出した。全国中学校・高校スキー大会や全日本スキー選手権大会、オリンピックなどで小樽の選手は日本中の注目を集め、ジャンプ王国・小樽の名を高めた。
しかし、近年のスキー人口の減少や少子化の影響で、スキージャンプに参加する子供たちが激減。2007(平成19)年には団員が一人となった。少年団の存続の危機を迎え、OB有志たちが新入団員の募集に力を入れた。この結果、小学生のサムライジャンパーが9人に増えた。
この団員たちが練習する潮見台シャンツェは、1979(昭和53)年に完成し、今年で30年。ジャンプ台への階段(約200段)が雪の重みで傾いたりと、施設の老朽化が著しい状態となった。
これを見かねたOB有志や父母は、今年5月から、土日などの休みを使って、傾いた階段の補修やジャンプ台頂上の雪留めの設置を行った。材料のネットや単管パイプは知人から譲り受けたり、市教委などの補助金などによって購入した。
10月24日(土)は、作業の最終日を迎えた。OB・父母の6人が参加し、ネットの取り付けや、直した階段の調整などを行った。
OBの石川稔さんは、「階段の柱が雪の重みで傾き、雪が積もると階段が雪の下になってしまうので、古いパイプを抜いて立て直し、階段を地上から80cm浮かせた。ジャンプ台の上には、ネットで雪留めを作って、雪が積もりやすくなるようにした。
道内で、少年少女のジャンプ台にリフトが設置されていないのは小樽だけ。昔は、階段を上ってトレーニングという考え方があったが、今は体力づくりとジャンプの練習は別。本当は子供たちにジャンプの練習だけに集中させたい。リフトはないので、階段を少しでも上りやすくして負担を減らしたい」と話した。
同団では、「スキーなどの用具はおさがりなので、気軽に体験してもらいたい」と、常時団員を募集している。問合せ:090-2692-8991 石川稔
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