毎年、小樽の冬を彩ってきたウィングベイ小樽(築港)の”ビッグツリー”の設置・点灯が、今年から中止となることが分かった。
”ビッグツリー”の設置・点灯は、同施設を所有運営する小樽ベイシティ開発が、旧マイカルオープン2年目の2000(平成12)年から毎年実施してきた。樹齢100年、高さ22mの日高産トドマツを使用した道内最大級のビッグツリーに約4万個のイルミネーションを飾り、毎年、市民をはじめ多くの観光客の目を楽しませてきた。
同社では、この”ビッグツリー”に、毎年1,000万円以上の投資が必要で、不況ということもあり新たな企画を模索していた。2007(平成19)年にも、一度、設置を見送ることを決めたが、すでに旅行プランに入ってしまっていたことや、地元からの設置要望の声も上がり、継続することにした。関連記事1 関連記事2
2008(平成20)年も点灯が行われたが、「11月、12月は、小樽観光の端境期にあたり、ビッグツリーを点灯することで、札幌圏からの集客に対応した。その後、目の前のマリンウェーブさんでもヨットのイルミネーションを始め、ロングクリスマスというイベントもスタートし、市内に広がりを見せたので、ビッグツリーは9年間の役割を終えた」と、今年から設置・点灯を中止することを決めた。
この”ビッグツリー”の代わりとして、「ベイフォーレストクリスマス」と名づけて、”ビッグツリー”を設置していた場所に、5mほどのクリスマスツリーを8本程度飾り、海を連想させるイルミネーションを装飾する。今後、この小さなクリスマスツリーを増やすとしている。
「大きなもみの木から芽生えた小さなもみの木が、これからグングン伸びて新たな森となっていくというストーリーで、新しいイルミネーションをやっていく」(同社営業部)という。
小樽の冬のシンボルとして定着し、この”ビッグツリー”見たさに遠くから足を運ぶカップルも大勢いた。新たなイルミネーション「ベイフォーレストクリスマス」が、”ビッグツリー”の代わりを担えるかどうかは疑問符が投げかけられている。