中国人観光客の増加に伴い、小樽市は、約300万円の予算をかけて、産学官の連携による上海市場調査事業に乗り出している。
中国からの観光客は、2003(平成15)年の294人(宿泊人数)から2007(平成19)年の1,023人と増加し、2008(平成20)年では、前年比254.7%の2,606人と急増した。
これに伴い、市は、中国での地場産品の販路拡大を目指し、今年度の北海道地域チャレンジ交付金約300万円を活用して、産学官連携の「中国及びロシアでの市場調査事業実行委員会」(海老名誠実行委員長・商大ビジネス創造センター長)を組織し、調査事業をスタートさせた。
すでに、2008(平成20)年度には、上海市内の百貨店やアンテナショップなどを視察し、日本の食品加工品の販売状況を調査した。
2010(平成22)年2月上旬の3日間には、8月8日に同市にオープンした「GL-Japan Plaza」で、市場調査事業を行う。
「GL-Japan Plaza」は、小樽と上海を結ぶ定期コンテナ航路を開設しているツネイホールディングス神原汽船カンパニーの関連会社・(株)グローカルジャパン(広島県)が全額出資する現地法人の全州貿易が開設した物販施設。
この施設で、中国検疫当局の許可が下りる予定の水産加工品3点、菓子2点、ジュース1点の計6品を販売することにしている。9月30日(水)に開かれた市議会第3回定例会予算特別委員会の千葉美幸委員(公明党)の質問に答えた。
販売予定の物品は、丸藤水産の海鮮焼き・海鮮ステーキの2点、小松食品のホッケ甘露煮の1点(出品交渉中)、北海道村の生キャラメル2点、仁木の黒豆ジュース1点の計6点。
このほか、小樽市と近隣町村の水産加工品や果物、スイーツの展示試食を行うことにしている。当日、アンケート調査やバイヤーと商談を行う予定。好評を得た商品については、翌年度以降、中国検疫当局に対する商品登録を進め、中国での市場開拓を支援することにしている。
「この施設は、中国の富裕層向けのものなので、物販に期待している」(商業労政課)。物販とともに、DVDの上映やパンフレット配布、ガラス製品の持込など、観光PRも行うことにしている。
また、9月17日には、中国の結婚式企画会社・北京マリアージュ有限公司(佐藤理社長)による中国人結婚式道内ツアーが、小樽や札幌、赤井川などで初めて行われた。ツアーは、北京からカップル2人が来道し、札幌や小樽を観光したあとにキロロで式を挙げるもので、「今後も、小樽をツアー内に盛り込んで頂けるように、PRは重要だ」(市観光振興室)と話している。(写真提供:小樽市)
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