新病院用地で揺れる市議会 築港から現在地周辺に変更か


 市立2病院を統括する病院局の並木昭義局長が、市民の前で、「新病院の建設地としては、量徳小学校と現病院敷地の方が望ましい」と述べた問題が、市議会の各会派を大きく揺らしている。関連記事
 市議会は、2006(平成18)年9月の第3回定例会で、継続審査中だった「新市立病院新築計画建設候補地について」の陳情15件と、「新小樽病院の現在地もしくは中心部への建設方について」の陳情1件の計16件を賛成少数で不採択とし、付託された「市立小樽病院の統合新築の早期実現方について」と「新市立小樽病院建設の早期着工方について」の陳情2件を賛成多数と全会一致で採択していた。これにより市議会では、新市立病院を量徳小含む現在地周辺ではなく、築港地区で早期着工することが承認された。関連記事1 関連記事2
 市議会のこの意思は、現在もそのまま推移しており、並木局長見解を受け、どのように対処するかが問われるところとなった。
 市議会各会派に、この問題での意見を聞いたところ、多くの会派が、築港地区から量徳小への検討へと大きく揺れていることが分かった。
 自民党の横田久俊議員会長は、「何が何でも今まで通りとはいかない。会派で具体的な議論をしていないのでこれから議論する。市民の考え方も聞かなきゃいけない」。
 公明党の高橋克幸副団長は、「量徳小学校の敷地は、もともと第一候補だったので、議論する余地はある。かたくなに築港というわけではない。振り出しならそれでいい。早く病院を建設しなければいけない」。
 共産党の北野義紀団長は、「共産党が主張したことと同じ。遅きに失した。住民やPTA、学校関係者などが協議して、住民合意で進めてもらいたい。平成14年の時に、住吉中の跡に量徳小を移転新築して、量徳小の敷地に病院を建設しておけば良かった」。
 民主市民連合の斎藤博行議員(市立病院調査特別委員会・副委員長)は、「量徳小学校の敷地が、候補地に再エントリーされたのかどうかを市長に聞かなければいけないと思っている。第3回定例会で質問する。市長の考え方を明らかにさせる。市長が考え直すということなら、並木先生も言っているので、検討しなきゃいけない。一度、築港と決めているので撤回する影響もあるので、意見をひっくり返すメリット・デメリット、量徳小の敷地を選ぶというメリット・デメリットを考えなきゃいけない」。
 平成会の大橋一弘会長は、「我々としては築港地区での建設はもうないと思っている。計画自体が破綻したと考えている。住吉地区の方々の十分な話を聞いて、理解をしてもらって、量徳小に建てるしかないという方針だ」としている。
 このように各会派も、大筋では、並木局長見解を受け入れる姿勢を見せており、あとは、これまでの築港地区での早期着工の態度を、いつ変更するかに注目が集まることになる。共産党を除く市議会与党会派(自民・公明・民主市民・平成)は、山田市長の言いなりのまま、築港地区での建設を推進しただけに、どのように自らの態度を総括してくるのかが、問われることとなった。
 これを受けて、9月15日(火)に開会する市議会第3回定例会での各会派の論議が、どのように展開されるかが注目される。
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