小樽市総合博物館運河館(色内2)で、8月1日(土)から、小樽市高島地区の文化を紹介する小さな企画展「高島の夏」が開かれている。
高島は、明治時代に越後(新潟)地方から多くの人が移住した町。「高島郡高島村」として、小樽とは別の行政区分に属していた。「小樽へ行くには、船か山越えの遠回りするしかなかったことから、高島独自の文化『越後盆踊り』と『七夕祭り』などが受け継がれてきた」という。
高島越後盆踊りは、新潟県からの移住者たちが、お盆になると遠く離れた故郷や先祖を偲び、出身地の盆踊りを踊ったことが発祥といわれている。1979(昭和54)年に「高島越後盆踊り保存会を設立。2001(平成13)年には、高島越後盆踊りの行事が市指定の無形民族文化財となった。
「七夕祭り」は、大人と子供が、山車(だし・やま)や行燈を作り、高島をパレードする行事。1999(平成11)年に、参加者の減少などを理由に行事が一時中断したが、5年後の2004(平成16)年に復活した。
同館では、「高島越後踊り保存会」の創立30周年を迎えたことから、この夏の行事「越後盆踊り」と「七夕祭り」を、写真と映像、資料で紹介している。
越後盆踊りの紹介では、北海道大博覧会の小樽公園会場で、約50名が夜10時過ぎまで高島越後盆踊りを披露したときの様子を掲載した小樽新聞の記事(1937・昭和12年)の切り抜きを展示。
七夕祭りでは、明治37年の稲垣日誌を添えて、当時の行燈作りの様子を紹介している。
石川直章学芸員は、「高島盆踊りのすごいところは、普通の格好をしたおねえちゃんが、踊りの輪の中にすっと入ってきて踊り出すところ。最初は本当にびっくりした。博物館は、本来、物を展示するところなので、無形のものを展示することは難しい。8日(土)からは、7日(金)に行われる七夕祭りのパレードで使用される山車が、8日(土)から館内でも展示出来るようになる」と話している。
この企画展に合わせて、北海道各地に伝わる越後踊りについて解説するギャラリートーク「越後踊りと北海道」(8/29 10:30~11:00)と、越後踊り保存会の踊りを見学できる「高島の越後踊
りを見よう!踊ろう!(仮題)」(9/20 13:00~13:30)の2つの行事も予定されている。
「小樽の発展に大きな影響を残した町の歴史と住民の努力を、夏におこなわれる2つの行事を通して感じて頂きたい」としている。 入館料