小樽市総合博物館(手宮1)のミュージアム・ラウンジ「石狩砂丘となえぼ公園のきのこ」が、8月22日(土)10:30~12:00、同館研修室で開かれた。
ミュージアム・ラウンジは、「集まろう!知の広場へ」を合言葉に、小樽の歴史や自然、科学技術についての話題を学芸員や専門家が提供する教室。
今回は、NPO法人北方菌類フォーラムの竹橋誠司氏が講師となり、銭函の海岸や長橋なえぼ公園で発見された珍しいきのこ類を紹介した。
小樽市銭函大浜から石狩市厚田区無煙浜までの全長30kmにわたる大砂浜地帯「石狩砂丘」には、日本では絶滅したと思われていた幻のきのこ”アカダマスッポンタケ”が生息していると発表。100年ぶりの発見で、今のところ、石狩海岸でしか見つかっていないという。
このほか、新種の”スナハマガマホノタケ”や、北海道で初めて採集された”スナヤマチャワンタケ”が生息していることも述べた。
「これら砂浜に生息するきのこは、温度に強く、30℃でも元気で、潮や乾燥にも強いので砂浜で生きることが出来る。それに他の菌類との競合がなく、ゆうゆうと生活をしているに違いない。
今後は、調査地の拡大で、点から面へと多くの目で観察してもらいたい。海浜植物の専門家との共同研究で、砂地生きのこの生活史を解明したい。何よりも石狩砂丘の環境保存を強く願っている」とまとめた。
最後に、なえぼ公園に生息するきのこを紹介。小樽で最初に採集された新種”エゾノビロードツエタケ”や、日本新種として発見された”ザラツキウラベニガサ”、未発表で和名を募集中のウラベニガザ属の”Pluteus spegazzinianus”などを、写真とともに解説した。
ディスカッションの場も設けられ、集まった約30名の市民たちは、竹橋講師ときのこ談義に花を咲かせた。