小樽市病院事業会計の2009(平成21)年度の4月から6月までの3ヶ月の診療収入で、収益・患者数とも減少の一途を辿っていることが、病院局(並木昭義局長)がまとめた統計から分かった。
病院会計の今年度4月から6月までの3ヶ月間の診療収入で、入院・外来を合わせて、前年度差はマイナス2億3,623万4,000円、患者数でマイナス13,660人となり、ますます悪化していることが明らかになった。
3ヶ月間の月平均では、収益でマイナス7,874万4,000円、患者数はマイナス4,553人となる。これを、単純に1年間換算すると、収益で約9億4,500万円、患者数で5万人を超えるマイナス数字となる。
特に、小樽病院の悪化が大きく、これに比べ医療センター(第二病院)の数字は健闘が目立っている。しかし、両病院を足した数字になると、入院・外来の収益・患者数とも大幅に前年を下回る結果となっている。
この見込み違いは、当初予算で収益・患者数を過大に見積もった”絵に描いた机上の予算”のツケが早くも露呈した格好となった。関連記事
市の病院事業では、山田市長が、4月から地方公営企業法の全部適用で病院事業管理者を置き、病院局新設して市立病院経営を丸投げしている。今年度の病院事業会計は、市長直属の病院事務局が作った机上の過大見積もり予算で、4月から就任した並木局長の預かり知らぬところで計上されたものだ。こんなデタラメ予算を投げられた病院局長にとっては、頭の痛いところだ。
並木病院局長は、「病院会計は、今が底と考えている。収入支出の洗い出しを行っている。収支の見通しについては、特に支出について、どこまで抑制出来るか、見直しを行っている。医者を迎えいれるには、新しい病院のビジョンをちゃんと示さないと、医者が来てくれない。医者の招聘(へい)には、一年間くらいはかかる。これから、全適から独立行政法人に移行するかを含め、さらに第二次医療を小樽で担える体制のため、現在地や量徳小を合わせた新しい病院を模索している。11月か12月頃には、なんとかビジョンをまとめたい」と、病院改革に意欲的に取り組むと話している。