市総合博物館(手宮1)は、7月22日(水)に小樽で見ることが出来る「部分日食」を安全に観察するため、11日(土)10:00~12:00、同館研修室で天文教室を開いた。
日食は、月が太陽の前を横切り、太陽が隠されることで起こる現象。太陽全体が隠れることを「皆既日食」、太陽が月より大きく環状にはみ出すことを「金環日食」、太陽の一部しか隠れないときを「部分日食」という。
7月22日(水)は、東アジアを中心に「皆既日食」が起こり、日本で観測できるのは46年ぶりとなる。さらに、今回は、最大継続時間が今世紀で最も長い6分44秒という。国内では、奄美大島北部、トカラ列島、屋久島、種子島南部、硫黄島などで観察することが出来る。46年前に「皆既日食」を観測したのは、北海道東部という。
小樽では、「部分日食」を観測することが出来る。市内では、2004(平成16)年10月14日にも観測しており、5年ぶりとなる。今回は、10:04に日食が始まり、11:09に部分日食が最大となり、太陽直径の約半分が月で隠れ、12:15に終わる。
この日の天文教室の参加者は5人で、大鐘卓哉学芸員は、「皆既日食が観測が出来るとして全国的に盛り上がっているが、小樽では、部分日食ということもあり、あまり盛り上がっていない。今回の参加者にも影響しているのかもしれない。しかし、46年前に皆既日食を観測出来たのは北海道で、100年前までは、日食アイランドと呼ばれるくらい日食が多い場所でした。日食は北海道と縁のあることで、こういったことを知ってもらうと、少しは小樽の人も日食に対して関心が深くなると思う」と呼びかけた。
日食の正しい観察の仕方について、「眩しくしないようにすることだけではなく、目には見えない『有害な紫外線と赤外線を減らすこと』です。網膜に炎症を起こし、傷をつけてしまう恐れがあります。肉眼で直接太陽を見ることをはじめ、望遠鏡や双眼鏡、下敷きやCD、フィルムの切れ端、すすをつけたガラス板、サングラスやゴーグルなどを使っての観察は絶対に行わないで下さい」と注意した。
正しい観察方法として、安全基準を満たした太陽観察メガネや専用の太陽観察フィルターを使用して減光すること紹介した。また、間接的な観察方法として、「ピンホールを通った光の投影像を観察する」や「手鏡の光に反射した光の投影像を観察する」、「望遠鏡の太陽投影装置の投影像を観察する」、「木もれ日の投影像を観察する」ことをすすめた。
次回の日食は、2012年5月21日で、小樽では今回よりも大きく、最大で8割ほどが隠れるという。本州の一部では金環日食になるとされている。その後、2030年6月1日には、小樽でも金環日食を観察することが可能と解説した。