市長を被告の住民訴訟 第5回口頭弁論


 小樽市の山田勝麿市長が新病院建設のために発注した基本設計を巡る住民訴訟の第5回口頭弁論が、7月2日(木)10:30から、札幌地方裁判所の701号法廷で開かれた。
 橋詰均裁判長は、基本設計発注の必要性の是非と解約料の支払額の妥当性について言及した。傍聴人は、18人を数えた。
 基本設計の発注の必要性については、「起債のための道との協議で、基本設計が必要なものだったのか。必要だったんですかね?これでは、ちょっと弱いので、次回、もう少し掘り下げた主張を示せ」と被告側に命じた。
 また、解約料の支払額の妥当性については、原告が建築の専門家ではないことを指摘し、「解約料の額の高い安いの妥当性は、建築の専門家でないと分からないと思う。素人の個人的な見解ではなく、建築の専門家と協議の上、数字が妥当かを主張して下さい」と述べた。
 原告は、「手元にある現在までの資料を提出して、専門家に相談したところ、仕様書と積算根拠がなければ検討することが出来ないと言われたので、それを市に請求している。7月2日(木)に受理することになっている」と述べた。裁判長は、「そこまで請求しているのですね。それでは、数字の妥当性について、専門家と協議して、次回に提出して下さい」と求めた。
 この日、被告側は、「本件契約の既成部分委託料の算定について」の第3準備書面を提出した。この中で、「本件の如く契約が途中で解除された場合には、本来の成果品を検査し評価することは不可能であるので、成果品となるべきものの基礎資料であり、かつ、それまでの業務の蓄積であるこの業務実績報告書に基づき、被告は、業務の達成率を算定したのである」と主張した。
 住民訴訟も第5回を迎え、原告・被告双方は、それぞれ準備書面を出し、問題点を主張してきている。書類の提出で争点が集約されてきており、今後の展開が注目される。
 次回の第6回口頭弁論は、9月3日(木)10:00から、札幌地方裁判所の701号法廷で開かれる。
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