市内稲穂の中心商店街の大ショッピングビルから、今年2月に小樽グランドホテル、3月にサンモール・ネオが抜けて、幽霊ビルとなっている小樽再開発ビルの再利用計画が、一部地権者との交渉が折り合わず、真っ暗闇の商業ビルのまま、夏を迎えることになった。
小樽再開発ビル(約43,600平米)は、1990(平成2)年、丸井今井主導で市街地再開発事業として約130億円かけて造られた。その15年後の2005(平成17)年10月、丸井今井の破綻で小樽店は撤退した。
翌11月から、ビルの地権者であるメガネのタカダ・岩永時計店・スズラン薬局・農協精肉・竹生園などが、ビルの1階・地下1階を使用し、「サンモール・ネオ」として暫定営業を始めた。
空きビルへの大型テナントの誘致が一向に進まないことから、1階・地下1階のテナントは次々に変わった。それでも、なんとか大型テナント誘致後にビル内での営業が出来るようにと暫定営業を続けてきた。
しかし、ビルを所有・運営する「小樽開発株式会社」(西森治美社長)が、東京の大手デベロッパーとの交渉を進めるため、地権者に明け渡しを求めたため、今年3月24日に閉店に追い込まれた。この1ヶ月前には、19年にわたって同ビルで営業を続けてきた小樽グランドホテルが閉館していた。
小樽グランドホテルの竹内恒之社長は、閉館時に、「雪解けまでには、なんとか新しい光が射すと思う」と話していたが、春から夏になっても、いまだ進展が見られない。
同再開発ビルに29の地権者がいるが、小樽開発株式会社が水面下で交渉を続ける大手デベロッパーは、この権利を一本化して買収する方針だという。しかし、現在、残る2、3の一部地権者と売却額などの問題で交渉が進まない状況が続いている。
小樽市は、「今交渉を続けていると聞いているので、それを見守りたい」としている。丸井今井撤退後、市長は、「旧丸井今井小樽店の再活用に積極的に取り組みます」と選挙公約をしたが、2年経っても、なんらの効果が見えず、市の中心商店街に巨大幽霊ビルが残されている。
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