小樽の銭函地区の海岸沿いに、高さ100mの風力発電機20基が建ち並ぶ、大規模な風力発電所建設計画が浮上した。
この計画は、日本風力開発株式会社(東京都港区・塚脇正幸代表取締役社長)が進めるもので、石狩湾新港に隣接する銭函地区が適地として候補地に上がっていることを、5月15日(金)の市長記者会見で明らかになった。
この建設のため、同社は、100%出資の子会社(仮称)銭函風力開発株式会社を設立し、計画を推進することにしている。
銭函地区が選ばれたのは、1年を通して風力発電に適した風が吹き、風力発電機の陸揚げや運搬が可能なこと、送電線と接続できることの条件を満たしているため。
出力2,000kwの風力発電機を20基で、合計40,000kwを確保する。同時に合計30,000kwの大容量蓄電池を併置することにしている。この年間発生電力は、約30,000世帯で消費される電力に相当する。
風力発電機の風車のタワーは高さ約65mで、ブレード(羽根)の長さは約35mあるため、最高到達点は、高さ約100mになる。
世界で始めて大容量蓄電池を併設した風力発電所は、2008(平成20)年に完成した青森県の六ヶ所村の二叉風力発電所で、銭函発電所は、これに次ぐ2番目の施設となる。
建設時期や建設費、運転開始日などについては、現在、同社が関係機関と協議中であるとしている。
市は、この発電所の建設計画で、資機材の調達、建設工事に伴う地元経済への波及効果は大きいものがあると期待している。
山田勝麿市長は、「このたびの特徴は、合計出力4万キロワットという道内有数の規模であるほか、道内各地で行われている風力発電と異なりまして、大容量蓄電池を併置するという先進的な施設であると聞いております。不安定な電力を大容量の蓄電池で放電させることで、安定した電力を持つことが出来るとして、昨年完成した青森県の六ヶ所村の二叉風力発電所が世界で始めて事業化されたもので、これで2箇所目という風になります。
地球温暖化に防止に対し、再生可能エネルギーの導入促進が近々の課題である中で、このたびの計画はまさに社会的にも大きなものと考えます。資機材の調達、建設工事に伴う地元経済にも大変大きな波及となると考えます。関係機関の協議が進められまして、大容量蓄電池を併設した風力発電所が早期に設置されることを願っている」としている。
◎日本風力開発株式会社