2008年度市立病院の患者数・収益は大幅減


 2008(平成20)年度も市立小樽病院(若松1)と第二病院(長橋3)の患者数と診療収入が大幅に減少していることが本社の調べで分かった。
 2008(平成20)年度の小樽病院の入院患者数は、対前年度比で11,058人、外来患者数が23,463人の合わせて34,521人も減少した。これに伴い、収益も入院で4億5,970万6,000円、外来で2億3,183万1,000円の合わせて6億9,153万7,000円と大幅な落ち込みとなった。
 しかし、第二病院では、患者数は、入院で1,378人、外来で2,131人の計3,509人の増加となった。収益も、入院で7,037万5,000円、外来で2,334万8,000円の計9,372万3,000円の増加となった。
 両院合計では、第二病院の増加分を差し引くと、患者数は、入院で9,680人、外来で21,332人の計31,012人の減少となり、収益は、入院で3億8,933万1,000円、外来で2億848万3,000円の計5億9,781万4,000円の減収となった。
 これは、小樽病院から呼吸器内科の医師2名が退職したことの影響が大きく、それに連れ患者数も収益も大幅に落ち込んだ。
 当初予算では、入院収益で56億1,300万円、外来収益で28億8,100万円を見込んだ取らぬ狸の皮算用予算を計上していたが、患者数と収益の大幅な減少の事実が2008(平成20)年度の予算案のデタラメぶりを示している。
 市は、この2008(平成20)年度の収益減に合わせるため、慌てて3月補正予算で、6億8,900万円の減額補正を行っている。しかし、それでも、まだ約6,000万円の不足額が見込まれるため、数字の辻褄合わせに懸命となっている。
 止まらぬ市立病院の医師・患者・収益の減少による数字合わせのためには、一般会計からの繰出金に頼りきっている。

 一般会計からの繰出金は、平成12年度から19年度までに、13億円から16億円もの巨額となっており、平成20年度は17億5,100万円、平成21年度には20億7,200万円を繰出すことになっている。
 市の病院事業は、地方公営企業法の全部適用を採用し、4月から病院事業管理者を迎え、病院局としてスタートしている。この病院局のスタート時期に、いい加減な当初予算案のツケが回ってくることになる。
 病院設置者の山田勝麿市長は、病院事業管理者に経営の全権を移譲した。しかし、市立病院の収益悪化は、さらに続くものと見られ、70億円もの欠損金を抱える病院事業を立て直すことが出来るか、並木義昭病院局長の経営手腕が問われることになる。
 平成20年度診療収入
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 平成20年度病院事業会計補正予算(第1回定例会・平成21年3月)
 平成20年度当初予算