山田勝磨小樽市長を被告として、公金支出の妥当性を問う住民訴訟の第4回口頭弁論が、5月21日(木)13:30から、札幌地方裁判所の701号法廷で開かれた。
前回の法廷では、橋詰均裁判長から、被告・山田市長側に対し、「市は、2,581万円の支出行為を誰に専決させているのか。この財務会計の権限は、誰にあったのかということを明らかにする必要がある。出来高払いをしたのは、本来の決裁者は市長なら、誰が専決で行ったか明らかにする必要がある。本来は、こんな出来高は妥当なのか。市は、調べて基になる資料を提出する予定はあるのか。成果物に対するパーセンテージ、出来高の基にあったものをもう少し出すことはないのか」と、支出行為の基となった資料の提出を”宿題”としていた。
被告側は、これに応じ、第2準備書面を提出し、「本件公金支出についてはその前提となる支出負担行為を被告小樽市長が自ら行い、支出命令及び支出行為を補助職員たる市立小樽病院事務局長が行っている」と明らかにした。
また、「市立小樽病院統合新築工事基本設計業務・業務実績報告書」なるものを提出した。この報告書は、No.1(324ページ)とNo.2(284ページ)に分かれた全608ページを超える大部のものとなった。これをめくって見た橋詰裁判長は、「いちいち見てられないという感じだね」と述べた。これにより、被告側の準備書面は、「今回提出した分で全部となった」(伊藤隆道弁護人)。
これまで被告・市長が情報公開せずに、隠しに隠してきた資料が裁判所の提出命令で、白日の下にさらされることになった。市長は、これまでこの公金支出の基となった資料を市民や報道陣に一切公開せず、わずかに市議会の秘密会で見せただけで終わっていた。関連記事
原告の松浦光紀さんは、「やっとのことで、この資料が手に入った。これは、一歩前進で、これからこの資料を詳しく調べて、市長の公金支出の不当性を改めて指摘したい。これまで、一切公開されていなかった資料がようやく自分の手元に来たことで、やっと本格的なスタート地点に立ったと思う。これから、弁護士とも相談し、被告側の不当性を訴えていきたい」と話した。
次回の口頭弁論は、7月2日(木)10:30から。ここで、今回の提出資料を基に、原告、被告双方の主張・反論が行われる予定。
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