5月21日(木)に開会される小樽市議会第1回臨時会に提出する議案説明の記者会見が、15日(金)16:00から、市長応接室で行われた。
提出される議案は、平成20年度の歳入歳出の辻褄合わせのため、平成21年度予算から雑入として計上する”繰上充用”による補正予算。市は、2004(平成16)年度から、この繰上充用を行っている。今年で、5年連続連続での繰上充用となった。
同時に一般会計、特別会計、企業会計の決算見込み額も明らかにされた。これによると、一般会計の決算では、累積赤字12億9,700万円だったものが、5億4,100万円圧縮され、6億8,400万円の累積赤字となった。国民健康保険事業特別会計では、9億9,300万円の繰上充用を行う。
病院事業会計では、不良債務額が、14億5,600万円となり、前年度の37億8,500万円が大幅に圧縮された。しかし、これは、総務省の特例債18億8,000万円導入による一時的な減少で、今後7年間で、この特例債と利息分を返済していかなければならないが、これは一般会計からの繰出しで対応することにしている。
一般会計・病院会計とも赤字額が圧縮されたものの、市長は、「他会計から借入れしたり、基金からの借入れ部分が解消しなければ、財政健全化が出来たとは言えないとした上で、累積赤字の解消にはまだ数年かかる」と、見通しを述べた。
市長の発言要旨は以下の通り。
「最終的には今月末で収支が決定するのですが、試算した結果、一般会計の単年度収支で6億1,300万円の黒字になる見込みであります。累積赤字もその分前年度より減少しまして、6億8,400万円となる見込みです。従来の累積赤字は12億9,700万円あったものが、6億8,400万円まで圧縮出来るようになります。20年度の財政健全化計画上の累積赤字の見込みは12億2,500万円という風に見ておりましたが、5億4,100万円ほど少なくなる。
なんといっても平成20年度決算で単年度収支を黒字確保したいということで、職員手当などのカットをさらに踏み込む中で、全庁一丸となって努力した結果であるという風に思っております。
黒字になった要因ですが、市税収入の落ち込みが例年ほどではなかったこともありますし、燃料費の高騰が落ち着いたことで不用額が出たこと、雪が少なかったことで除排雪経費で不用額が出たこと、管理経費の節減に最大限取り組んだことが要因だと思っている。
20年度決算から本格的に適用される財政健全化法の連結実質赤字比率ですけども、20年度の小樽市の比率からいきますと16.74%なんですけども、4.4%程度になる見込みでありまして、確実に健全化基準がクリアできるものと思っております。
累積赤字は減少しておりますけども、多目的基金から借入れしたり 他会計から借入れしておりますし、職員給与のカットによって達成出来ているものもありますので、依然として厳しいものがありますので、累積赤字を解消できるように、引き続き財政健全化に取り組んでまいりたい。
あと問題は、21年度がどうなっていくのか、一番心配なのが地方交付税を確保出来れば、より一層財政に良い効果がある。そこが一番大きな問題。
ただ、他会計から借入れしたり、基金からの借入れもありますから、そういった部分が解消しなければ、財政が良くなっているとは言えない。そこまで行くには数年かかると思います」。
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