住民訴訟の第3回口頭弁論 裁判長から被告側に”宿題”


 山田勝磨小樽市長を被告として、公金支出の妥当性を問う住民訴訟の第3回口頭弁論が、4月16日(木)10:00から、札幌地方裁判所で開かれた。
 4月は、裁判所も定期異動の季節。この日は、裁判長から、これまでの裁判官の構成の変更が告げられた。3人の裁判官のうち、裁判長と裁判官の2人が交代するとともに、書記官も代わった。
 今回からは、橋詰均・裁判長と宮崎謙・木口麻衣の2裁判官と石田正人書記官による審理となった。
 冒頭、橋詰裁判長は、原告・被告の反論を整理し、裁判の争点について、「果たして基本設計の発注の必要性があったのか。また、解約料の支払額に妥当性があったかにある」 とした。
 また、「市は、2,581万円の支出行為を誰に専決させているのか。この財務会計の権限は、誰にあったのかということを明らかにする必要がある。出来高払いをしたのは、本来の決裁者は市長なら、誰が専決で行ったか明らかにする必要がある。本来は、こんな出来高は妥当なのか。市は、調べて基になる資料を提出する予定はあるのか。成果物に対するパーセンテージ、出来高の基にあったものをもう少し出すことはないのか」 と被告側に迫った。
 これに対し、被告の伊藤隆道弁護人は、「分からない、用意していない」 と、予期していなかった様子だった。
matuura.jpg 裁判長は、「いずれにせよ、専決の有無、基礎資料を出すことを検討せよ。市が出せないということになると、原告が公文書公開を要求し、用意してもらう必要がある」 と、被告側に”宿題”を課した。
 原告の松浦光紀さん(63)は、「今までは、書類のやりとりだけだったが、今回の弁論で裁判長が明確に争点を整理したことで、自分に有利かどうかは別として、裁判は非常に前進したと思う。市は、久米設計から受け取った書類をオープンにしていないため、パーセンテージがこれでいいのかということが分からない。裁判長が、支出行為の専決者が誰で、公文書公開に則っても資料公開を求めるべきとしたことは、大きな前進だ」 と評価していた。
 この日の傍聴人は13人だったが、この中には、原告・松浦氏と一緒に住民監査請求を行った高橋朋子さんが、わざわざ滞在先のアフリカ・ジンバブエから駆けつけていた姿が見られた。
 次回の審理は、5月21日(木)13:30から同所で行われる。
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