“病院局”スタート 並木局長が着任


2009(平成21)年度となり、市立小樽病院と第二病院を統括する病院局がスタートした。
病院局は、地方公営企業法の全部適用に伴って設置された。札幌医科大学医学部麻酔学講座教授の並木昭義氏(65)が病院局長(病院事業管理者)となり、市長の代わりに病院事業の全責任を負い、予算調整、議案提出、決算認定、職員人事権などを持ち、病院経営を行う。
新体制では、この病院局長の下に、経営管理部、小樽病院、第二病院、看護学院が置かれることになった。経営管理部長には、これまで小樽病院事務局長となっていた吉川勝久氏。両院長はこれまでと同様で、その下に副院長が樽病4人、二病2人が配置されている。また、新たに両病院に看護部も置かれた。部長職18名(3月時点15名)、次長職8名(同6名)、課長職52名(同54名)の計78名(同75名)の幹部職の配置となった。
4月1日(水)、並木病院局長は市長から辞令が交付され、市長応接室で記者会見を開いた。
namiki.jpg 「事業管理者として4月1日から赴任してまいりました。まだ昨日まで大学の方の仕事をしてましたので、切り替えがまだ十分できていませんが、これから良く調べまして、小樽の住民のために医療をしていくのは、どうしたらよいか考えてまいりたい。
やはり、医者一人来ると、1億か2億の間の収入が上がってくるのですね。医師を集めることが重要な課題であると思っておりますし、また一方で医師が辞めないようにすることも重要だと思っている。医師が集まってきますと改善の方向に行くと信じてやっていきたい。
病院が何を求められているのかですね、そのときに計画うんぬんがでなく、人口がだんだん減っていくとか、色々なことを考えなければいけない。専門の領域を作ったりしなければいけない。必要のないところはどんどん減っていっても良いと思っているし、必要になってくるものを、市立病院でないと出来ないものを充実していきたいなと、そういう風に思っている。当然、良い医療をするには、やはり病院の統合が適切でないかと思っている。今、病床が800床が480床くらいになり、さらにそれが良いか検討して、より良い医療をやっていくために何をやったらよいかを考えていきたい。
小樽病院が合併しやすいひとつの理由は、小樽、第二病院の診療科が全く違うことだと思っている。統合で失敗するのは、同じ科を統合することで、良い医者が辞めていくんです。アメリカもそうだったが、少なくとも小樽の場合はそういうことはない。両方違う科ですから。さらに第二病院が一生懸命やっていますが、それをさらに充実して、救急含めて、二つ合わせて良い医療をやっていく。
民営化すると、良いだけとは限らない。机上の上では良いかもしれないが、働く医師が決して納得しない人が多いんですね。国公立を見ても、民営化にしてもうまくいっているところはあまりない。将来は分かりませんが、私としては、最大限努力して、この地域の医療をどうしたら良いか考えてやっていきたいと思っている。赤字をただ減らすためだけに私が来たのではなくて、小樽の街で良い医療はどうしたら良いか考えるためで、市民の情報が欲しいと思っている。
呼吸器内科と糖尿病、リウマチ、膠原病のところの医師がいなくなり、そういうところの患者がかなりいたので、そういうところをまず補充していかなければならない。内科をきちっとしなければ、病院として成り立っていきませんので、そこの補充をしていきたいなと思っている。
私としては、2年以内に方向性をはっきりさせようと思っている。任期4年なもんですからね。2年以内に方向性を立てていって、そのあとの2年で実働をやっていきたいなと思っている。職員に言ってるのは、とりあえず同じ方向を見てやってくれと強調している。
統合して、とにかく医師を集める。車を動かすときの動力が、今止まっている状態ですから、これを動かすエネルギーが必要で、あとこれが動けば、レールの上に乗って走らせるだけですから。
小樽全体をひとつの病院みたいに考えて、その中に公的病院同士で助け合えるところは助けあっていく。そのためには、きちっと情報交換をお互いしていく。どこを小樽病院がやってもらいたい、どこをお願いするとか、そういうところをこれから明確にしていきたいなと思っている。
私は、病院を経営していかなければいけないが、小樽の住民の人たちがどういう風に安心した医療を受けられるのかということを強調して、ネットワーク化協議会で先生方と話していきたい。それぞれの病院が大変なところがあるんですよ。だけど言えないところはたくさんあるが、それを尊重しながら、それぞれ本音を話し合いながらやる。みんな小樽の住民のことを考えてやっていて、そして自分たちの病院のことも考えている。それでどれだけ歩み寄っていけるかなんですよ。これからお互い話し合いながらやっていく。各院長さんも良く知っているし、麻酔科の教室からも病院に行っているので情報ももらえますしね。基本は市立病院の建て直しよりは、地域住民にとって我々がどういう医療をやっていけるのか、まずそれをやらせてもらいたい。市民に正しい情報を教えて頂ければと思っている。市長もそういう考えでおりますので、市長からそういう形で指名されているので、市長の考えと合わせながら、ディスカッションするところはしてやっていく。
市立病院がどういう風なビジョンでやっていくのか、きちっとそれを相手方に示さないと、中々来てくれない。今、色々な人たちがインターネットでかなり調べてきているので、30年以上経っている古いところには来ない。
出来るだけ無駄な出費を省いて収益を上げて、そしてそのあと収入を上げるような形でやって、医師を集めたいと思っている。
とにかく走りながら考え、考えながら走らないといけないと思う。というわけで出来るだけ、現場に行きながら見ながらやっていく。小樽だけでなく色々な病院が悩んでいる。そのときに街全体がどういう姿勢で医療というのを見てくれているのか、そういうところを啓発活動してもらいたい。
病気というのは医者のものではない、患者、住民のものなんですね。病気は、その不安感が強い、電話一本でも、救急がこなくなったりするのですね。そういうような体制づくりと、予防医学として保健所とやっていきたい。癌の患者さんの緩和医療、そういうところのレベルを全道的なレベルに上げたいなと思っている。高齢化社会のところですからね、緩和医療というのは、癌だけのことではなく、障害者にとっても全部ですからね。そういう人たちが質の高い医療を受ける生活を出来るようにするにはどうしたら良いかというのが緩和医療ですからね、そういうところに力を入れていきたいと思っている」と述べた。
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