「病院準備室がまったく消えてしまうと、我々としては病院をやる気なくなったとなるので、そんな気持ちはさらさらありません」(山田厚副市長・2008/2/25)と豪語していた小樽市役所は、4月1日付で市立病院新築準備室の廃止に追い込まれた。
これにより、市の行政機構から、「市立病院の新築についてのこと」を業務内容とする担当部署が消え去ることになった。
山田勝麿・小樽市長は、3期10年を通じ、最重要課題として築港地区での新市立病院建設計画に邁進していた。市長の選挙公約であったが、病院事業会計の巨額の累積赤字隠しなどで、国の起債許可が得られないことから建設計画の中断を余儀なくされた。
この中断で、2008(平成20)年度には、市立病院新築準備室を5人から3人へと縮小した。しかし、「我々としては病院をやる気なくなったとなるので、そんな気持ちはさらさらありません」と、これまで、市立病院準備室の”錦の御旗”を下ろさずにいた。 関連記事1 2
しかし、今度は、行政組織の中から、市立病院準備室の看板を下ろし、山田市政での新病院建設問題は、ついにジ・エンドを迎えた。市立小樽病院の5階に看板が設置されているが、これも4月からは外されることになる。
それでも、市は、業務は、病院局内の経営管理部に引き継ぐとしているが、最後のあがき(足掻き=苦しまぎれにじたばたすること)でしかない。
新築準備をしない行政組織を抱え、公約実現の見通しが全く無くなった10年目の山田市政は、どのように責任をとり、どこへ漂っていくのだろうか。
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