サンモール・ネオ閉店 市街地再開発ビルが空洞化 


sunmallneo1.jpg 2005(平成17)年10月の丸井今井小樽店の撤退後も、同店の1階・地下1階で暫定営業していた「おたるサンモール・ネオ」(高田嗣久代表)が、3月24日(火)19:00をもって閉店した。
これは同ビルで営業していた小樽グランドホテルの2月15日の閉館に続くもので、小樽市街地の中心的ランドマークであった再開発ビルは、これで空洞化し、幽霊ビルとなってしまった。
サンモール・ネオは、同ビルの地権者であるメガネのタカダ・岩永時計店・スズラン薬局・農協精肉・竹生園などが、丸井今井小樽店撤退後の2005(平成17)年11月から暫定営業していた。
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当初は、1階・地下1階に約30店舗が出店していたが、丸井今井小樽店撤退後の大型テナントの誘致が一向に進まなかったため、出店者たちが次々に入れ替わり、最終的には約20店舗での営業となっていた。
昨年12月、ビルを所有・運営する「小樽開発株式会社」(西森治美社長)が、東京の大手デベロッパーとの交渉を進めるべく、明け渡しを求める通告を出店者たちに行っていた。このため、暫定営業していたサンモール・ネオは、3月24日(火)で閉店することになった。
最終日となった閉店間際のビル内は、買い物客の姿はまばらで、店の整理を進める従業員の姿がほとんどだった。閉店時間の1時間前からは、陳列棚から商品が次々に消えた。
sunmallneo3.jpg 19:00には、サンモール・ネオで営業していた店の従業員らが正面入り口に並び、一礼して「ありがとうございました」と挨拶し、シャッターが降りるのを見守った。サンモール一番街のアーケード内には、閉店を見守る市民の姿は見られず、暫定営業はひっそりと寂しい閉幕となった。
地権者の岩永時計店・岩永政晃代表取締役は、「今後のビル活用については、大きい会社とは話が続いていると聞いている。デベロッパーは、土地建物の権利を売却することが条件と言っているので、それがクリア出来ればこの建物は生き返る。しばらくはゴーストタウンになってしまうが、新しいオーナーの下で復活させて欲しい」と、今後の復活を期待していた。
高田代表は、「追い出されるということで特にコメントはないが、必ずここを活用して頂けると思っている。3年ぐらいの間に活用する手段が決まるとは思っていたが、中々難しいようだ。暫定営業を3年以上してきたけれど、大変だった」と淡々と語った。
市内の商店主は、「丸井撤退後に暫定営業していたサンモール・ネオが閉店することは残念だが、不満を言っても仕方ない。このあと時間を空けずに、新たなテナントが決まることを願っている」と話している。
グランドホテルとサンモール・ネオの閉館・閉店によって、約130億円かけて造られた43,600平米の大型商業ビル全体が空洞化することになった。
暫定営業していたテナント店は、都通り商店街やサンモール一番街、産業会館、花園銀座街などに移転して営業再開することにしている。
しかし、同ビルの地権者であり、サンモール商店街側で宝くじ・タバコ・紳士洋品を販売する信盛堂は、「明日から水が出なくなるというが、これからも営業する。店を移転すると、宝くじ販売の免許を継続することが出来ないので、このままここで営業を続ける」と、空洞化したビルでたった一軒だけでの営業継続を決めている。
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