小樽市の新年度予算案などを審議する市議会第1回定例会(3月議会)が、2月25日(水)から開会した。
25日(水)13:00から開かれた本会議では、市側から、2009(平成21)年度予算や2008(平成20)年度の補正予算、条例改正案など44議案、報告3件が上程され、山田勝麿市長が、市政執行に関する所信と新年度における主要施策の概要を述べた。
市長は、財政問題で、「全国的に税収の落ち込みが危惧されており、地方交付税の配分額は、依然先行きが不透明な状況となっております。したがいまして、今後とも持続的な行財政構造を確立し、市政の役割をしっかりと果たしていくためには、行政全般、歳入歳出全般にわたる更なる見直しを継続していかなければならない」とした。
平成20年度の財政状況については、「平成20年度の普通交付税が予算を2億3,000万円下回ったことに加え、地方譲与税等も大きく落ち込み、大変厳しい財政運営となっておりますが、可能な限りの財源手当に努める中で、本定例会補正後における予算上の実質的な累積赤字額は、前年度から7,000万円程度改善し、約12億2,500万円となる見込みであります」。
平成21年度の予算編成については、「緊縮予算の編成を念頭に、事業の厳選や財政健全化の取組などを反映させ、限られた予算の中で、経済・雇用対策を重点的に実施することを基本としました。歳入では、市税の減収が大きく、一般会計の一般財源収入は前年度と比較して1億9,000万円程度減少する厳しい状況の中、企業会計からの借り入れなどの財源対策を講じてもなお不足する分については、職員給与等の削減を継続することで収支均衡を図った」と苦しい台所事情を述べた。
小樽市を取り巻く諸課題については、市立病院とウイングベイ小樽、中心市街地活性化の3つを挙げた。
このうち、市立病院については、「病院事業の抱える多額の不良債務、また、施設の老朽化や二つに分かれていることの非効率性に加え、医師不足に伴う医業収益の減少などの諸要素が病院経営を圧迫し、本市財政にとっても大きな課題となっております。平成21年度から経営形態を地方公営企業法の全部適用とし、病院事業全体の経営責任を担う病院事業管理者を設けることとしました。
今後は、病院経営の健全化を着実に実行していくとともに、喫緊の課題となっている再編・ネットワーク化について検討を進め、他の医療機関との役割分担により地域完結型の医療体制を確立し、市民の皆さんの期待にこたえられる病院を目指したい」と、現病院のみについて語り、自ら選挙公約に掲げた新市立病院の建設については、一言も触れなかった。市長提案説明はこちら
この後、市側が、国の第2次補正予算関連事業の「定額給付金」と「子育て応援特別手当」などにかかわる平成20年度補正予算1億2,164万2,000円の先議を求めた。この議案に対して、共産党・菊地葉子、民主党市民連合・林下孤芳の2議員が、「定額給付金について、市長はどのような見解を持っているのか」、「定額給付金の実務作業に入ったときに本来業務に支障はないのか」と質問した。
市長は、「定額給付金は、住民への支援と理解している。2月1日の住民基本台帳をもとにリストを作り、世帯主に申請書を送り、窓口か郵送で申請書を受け取ることにしている。窓口は、その場で本人確認作業などを行う。郵送の場合は、申請書とともに本人確認のコピーと口座番号のコピーを一緒に送付してもらう。その後、市の審査の上、振込先に振込む。広報おたるやメディアで申請書の郵送について周知する。2月26日(木)に、副市長を本部長とする実施本部を設置し、24名の職員が兼務で作業を行う。臨時の職員を採用したり、業務委託などを行い、支障がないようにする」と答弁。同議案は、全会派一致で可決された。
第1回定例会は、3月2日(月)・3日(火)に会派代表質問、4日(水)に一般質問、5日(木)から12日(木)まで予算特別委員会、13日(金)に各常任委員会、16日(月)に学校適正配置等調査特別委員会、17日(火)に市立病院調査特別委員会、19日(木)に本会議で採決を行う。日程
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