財政難の小樽市は、2009(平成21)年度から、電話交換業務を民間委託し、年間の人件費を約半分程度に圧縮することにしている。
市役所の電話交換業務は、これまで、4人の専門電話交換手で行われていた。市は、約7年前から、電話交換業務を民間委託したいと市役所職員労働組合と交渉を続けていた。このほど、ようやく組合との交渉がまとまり、新年度から、この職員4人を一般事務職に配置転換し、業務を民間に委託する。
2月から3月で、電話交換業務の引継ぎ作業を行い、4月からは、民間人が、市の電話窓口の応対にあたる。
これまで、4人の電話交換手で年間約2,700万円の人件費が発生していたが、市では、この業務を競争入札にかける。このための電話交換業務委託料1,512万円を計上した予算案を、25日(水)から開会する小樽市議会第1回定例会に提出する。
電話交換手たちは、「この仕事にプライドを持ってやってきた。怒鳴られてやってきたのに、急に職が変わるなんて。第二病院、小樽病院の電話交換手を経験してきて、今に至っている。一生懸命やってきたのに」。「市役所に交換手として入って30年ぐらい経つ。あと4年で定年なので、交換手として終わりたかった。残念だけれど、時代の流れで仕方ない。次の仕事がどうなるのか不安だけど、職があるだけありがたい」と話している。
「7~8年前から交渉を続けてきたが、やっと組合との交渉がまとまった。電話交換手4人の理解も、ようやく得られたので、民間委託することにした。これで人件費が半分ぐらいになる。10年では、1億を超す額の削減になる」(山崎範夫総務部長)。
電話交換業務の民間委託は、市立第二病院・小樽病院で、すでに数年前から実施されており、新年度から、ようやく市役所”本丸”も、公務員でない民間人が、市職員の半分程度の給与で請け負うことになる。