内科(呼吸器)の休止が収益を痛撃 市の病院会計


 昨年9月で診療を休止した小樽市立病院の内科(呼吸器)の影響が、市の病院事業会計の収益構造を痛撃している。 入院・外来の診療受付を休止した10月から12月の3か月は、市の予想を上回る収益の急激な悪化に見舞われ、病院会計を大幅に圧迫している。
 市立病院(小樽病院・第二病院)の平成20年度診療収入は、対平成19年度比で、大幅な落ち込みを記録している。特に、内科(呼吸器)が診療休止した10月から12月の3か月間の悪化は、目を覆うばかりの惨状を呈している。
 4月から9月までの累計の入院・外来の収益は、前年度比マイナス5,386万円だったが、これが10~12月のわずか3か月の累計では、マイナス3億5000万円の約6.5倍までに拡大した。同じく患者数も4~9月で前年度比マイナス6,400人が、10~12月だけでマイナス13,180人で約2倍以上に拡大した。
 拡大し悪化する収益構造は、平成20年度の当初予算との乖離(かいり)をさらに広げ、病院会計が、お役人の単なる数字いじりの机上プランでしかなかったことを、白日のもとに明らかにした。
 この急激に悪化した実数は、4~12月の累計で、当初予算に比べ、収益はマイナス4億8300万円となっており、病院会計を大きく揺るがせている。さらにこの悪化した数字に、1~3月の実績がさらに覆いかぶさり、市が当初予算で目論んだプラスの収益は、雲散霧消し、巨額のマイナス数字だけが残ることになる。市はこの巨額マイナスを、一般会計からの繰り出しを当てにしており、市民負担に頼ろうとしている。
 市の平成20年度の病院会計当初予算のデタラメぶりは、早晩、破綻することを、本社はつとに指摘して報道してきた。 関連記事1 2 3 4 5
 何年にもわたって右肩下がりで急落している患者数と病院収益に対し、市は、平成20年度当初予算では、右肩上がりの数字を並べ、6億円の収益増を計上していた。誰が見ても到底不可能な数字を並べ、後は野となれ山となれの無責任なお役所仕事は、まさに小樽市民を馬鹿にしたものとしか言いようがない。
 在り得ぬ数字を並べて予算を作り、それを平気の平左で議会に回す市長。当初予算のデタラメぶりを何らチェック出来ず、唯々諾々と市長の方針に従う市議会。その負の付けを回され続けながらも何の声も上げぬ市民たち。この負の構造連鎖を何処かで断ち切らぬ限り、小樽の未来はさらに暗い。
 選挙公約実現の見通しも立たず、公約違反だらけなのに、どこ吹く風の市長を抱え、小樽市は、さらに急な坂道を転げ落ちていくのだろうか。

 平成20年度 入院・外来収益 当初予算と実績について