丸井今井の撤退から3年、空店舗跡で懸命に暫定営業を続けてきた「おたるサンモール・ネオ」(高田嗣久代表)が、ビル所有・運営の「小樽開発株式会社」(西森治美社長)の明け渡しを求める通告を受けて、来年3月いっぱいで閉店することになった。
市街地再開発事業として、約130億円かけて造られた同ビルは、約43,600平米の広さを持つ。丸井今井の撤退後、地権者であるメガネのタカダ・岩永時計店・スズラン薬局・農協精肉・竹生園の5社が、「サンモール・ネオ」として、1階・地下1階などで洋服・食料品などの店舗を構え、新しい核テナントが決まるまでの暫定営業をしてきた。
今回、明け渡し通告を受けて、テナント会の高田嗣久代表は、「2年以上、色々なところと話をしてきても、まとまらなかった。もうちょっとハードルを下げて、来てもらえるようにしないといけないと思っていた。今回、興味をもってくれた人がいて、暫定営業が3年ぐらい経つのでタイミングとして最後のチャンスだと思って、向こうのやりやすいようにやってもらうことにした。暫定営業もあと何年もというのは肩の荷が重いし大変で、小樽のために妥協できるようにおさめた。小樽と商店街を盛り上げるために、ここを利用出来るようにまもとめてもらいたい」と、来年3月で閉店することを決めた。
明け渡しの通告は、サンモール・ネオ契約条項に基づいて3ヶ月前に行われたが、「工事があるのか分からないし、何をしたいのかも分からない」状況が続いていた。
高田代表によると、「前向きな閉店だと願っているが、相手があることなので、前向きの閉店か、後ろ向きの閉店かは、最後まで話がまとまるかどうかにかかっている」として、同所の10%未満の地権者5社たちは、新テナントとの契約が結ばれると同時に権利を売却する方向で検討しているという。
27日(土)には、明け渡し閉店に伴う説明会が開かれ、「次のテナントになっても営業出来ると期待を持っていた人も多いが、そういう形にはならないので、がっかりした様子だった。なんとか残れないかとも言われたが、無理だと思う」と話していた。
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