ロシアの中古車輸入関税引き上げ 業者に懸念の声


russia1.jpg ロシア政府の中古車輸入に対する関税の大幅な引き上げで、小樽港から輸出する中古車販売に影響が出るとの懸念が広がっている。
 小樽港の各ふ頭では、ロシア船に中古車を何層にも積み上げる荷揚げ作業をよく見ることが出来る。
 函館税関小樽税関支署によると、小樽港からの自動車の輸出は、平成17年(7月~12月)は1万2,000台、平成18年(1月~12月)は2万1,000台、平成19年2万4,000台、平成20年(1月~9月)2万4,000台となっている。このうちほとんどが中古車で、新車の輸出は1%あるかないかという。
 ロシア政府が、この日本車の輸入を規制するために14日(金)に施行した法律は、中古車を解体して輸入する場合の関税を、従来より3倍以上に引き上げるというもの。また、解体しないで輸入する場合や、車の年数、排気量に対しての関税も引き上げる方向で検討されている。
 このため、ロシアへの中古車輸出に頼っている販売業者は、今後苦戦を強いられると予測されている。関係者は、「大手は、すぐに別のネットワークを広げることが出来るので大きな問題にならないと思うが、小さいところは難しい」。「この関税の引き上げで、ロシア人の業者が辞めるところも出てくるのではないだろうか。そうなると少なからず影響は出てくる」としている。
russia2.jpg また、「一番の売れ筋である2,000CC以上で3~7年車の関税が一気に引き上がれば、この車が売れなくなり、売上げに大きく影響する」と懸念する業者も。
 小樽税関支署では、「過去にも税率を引き上げるという話があったが、それでも輸出が増えているので、どう影響するかは分からない。小樽の業者というよりも、道内の中古車販売会社に影響が出てくると考える」としている。
 小樽市産業港湾部港湾室では、「小樽にどれくらい影響するか分からない。この関税の引き上げがどの程度影響するものなのか読みきれない。小樽港では、車を輸入するロシア船が入ってこなくなると、使用料・入稿料・係船料に影響するが、多少だと思う」と話している。