「被告(小樽市長)は、山田勝麿に対し、2,581万円及び年5分の割合の金員を支払うように請求せよ」とする住民訴訟が、札幌地裁に提訴され、10月28日(火)付で正式受理されたことが分かった。
原告として住民訴訟を提起したのは、これまで、小樽市監査委員に、「新病院建設の中断で、これに係る基本設計の解約料を支払ったのは違法・不当であり、2,581万円を市に賠償せよ」との監査請求を行っていた市内稲穂在住のファイナンシャルプランナー・松浦光紀氏(62)。
市の監査委員会が10月3日付で棄却とした監査結果に、納得出来ない場合、監査請求人は、30日以内に住民訴訟を提起出来るとされている。これに伴い、10月28日(火)に管轄裁判所の札幌地方裁判所に住民訴訟を提起したことが、11月6日(木)の記者会見で明らかになった。
これにより、小樽市長が行った新病院建設中断による基本設計解約料の支払いに伴う公金支出の妥当性が、改めて、第3者の裁判所の手によって判断されることになった。札幌地裁での第1回公判は、12月11日(木)に予定されている。
松浦さんは、「監査請求を市に出したが、審査する監査委員会は、市の組織のひとつであり、正当な判断が下りるかは疑問だった。棄却という監査結果では、公金支出の不当性・違法性が、正確に判断されたかどうかは極めて疑わしい。改めて、住民訴訟という手段で裁判所の判断をあおぐことにした。
解約料支払いでは、新病院の建設用地の購入契約がなく、単なる話し合いだけだった。新病院建設は中断になったのだから、基本設計委託料は価値のないものになった。市民の税金の無駄遣いの典型例だ。小樽市長や小樽市議会が一体となって進めてきた新病院建設計画の問題点が、クリアになることを願っている。
市長の判断の誤りで、市民の税金2,581万円がドブに捨てられてしまった。このことは、市民の誰かが問題にしなければいけないと感じている。訴訟費用などがかかるが、友人・知人たちからのカンパ協力があるので、裁判所の結論を最後まで待ちたい」と話した。
山田勝麿市長は、「訴状が届いておりませんので、詳細は分かりませんが、先の住民監査請求においても、理由がないとのことで、請求棄却の判断がされておりますし、私としても、従前から適正に事務を行ってきたものと考えております」とコメントした。
政党政派に関係のない一市民によって、被告として市長が訴えられるのは、山田市政3期10年目に入り、すでに末期症状を呈しているものとも見られ、今後の推移が注目される。
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