小樽市内の家庭の約6割に水道水を供給している朝里ダムが、春から秋にかけての少雨の影響で、過去最低の水位を記録し、貯水量も平常の半分以下になっており、ダムの上流部分では湖底が露出するという事態になっている。
朝里ダムは、1981(昭和56)年から1993(平成5)年まで、事業費349億円をかけて完成した。小樽市の事業費負担分は、この36%という。ダムの下にある豊倉浄水場から、市内の約60%の家庭に水道水を供給している市の水がめ。
この水がめが、春から秋にかけて、例年の30%しか降らない少雨の影響で、水位が満水時より12mも低下した。貯水容量も、平常時の440万立米に対し、10月6日(月)現在で190万立米となっており、平常時の43%を記録している。
このため、朝里ダムの一部分はすでに湖底が露出し、流入する水量が低下し、ダムの中が川のようになっている。また、ダムのコンクリート堤は、平常時の水位から低下したことが一目瞭然で分かる、灰色と茶色の2色にくっきり分かれている。
朝里ダムの洪水調節や機能維持などを管理する北海道小樽土木現業所・中川尚志治水課長は、「ダム完成の初年度を除いて、今年9月の水位は過去最低だ。入ってくる水の量が少ないからで、相手が自然だから水の量が下がってしまえばどうしようもない。小樽市内の水道用水を管理する市と連携を取りながら、ダムの放流量調整などを管理していく」としている。
小樽市水道局では、6日(月)に開かれた決算特別委員会で、千葉美幸議員(公明党)の質問に対し、「今年の少雨は想定外で、水源が確保出来ないと、大きな影響が出ると思う。土現と協議し、調整して水道供給を安定していくような計画を立てていく」と答弁した。
しかし、渇水対策に対する質問には、「渇水対策マニュアルはない」と答え、今回のような水源不足に対する対応は想定していなかったことが判明した。
関係者は、「水道水の供給には、当面、問題はない」としているが、早く雨が降るか、雪が来て水量が増えることをあてにしている。