4日間の日程で開会している小樽市議会決算特別委員会(成田晃司委員長)で、7日(火)、約13億円の巨費をかけて建設された「小樽市望洋シャンツェ」(朝里川温泉1)の2007(平成19)年度の利用者がゼロだったことが分かった。
シャンツェが完成した初年度の1998(平成10)年度は、第54回みなとおたる国体が開かれて、5,267人の利用者を数えた。しかし、大会が一度も開かれなかった翌1999(平成11)年度は、近隣小学校の夏期の遠足利用の255人しか来なかった。
この後、2000(平成12)年度から2004(平成16)年度までは、北海道スキー選手権大会や全道高校スキー大会、スノーワンダーランドが開催され、計28,586人の利用者を数えていた。2006(平成18)年度には、北海道スキー選手権が再び開催され、利用者は408人となったが、市は、ひっ迫する財政状況から、今後の大会経費や補助金などが捻出できなくなり、これ以降は、近隣都市と4年に一度の輪番制にし、積極的な大会誘致を止めた。
このため、2007(平成19)年度では、シーズン中の大会やイベント予定がなく、昨年11月現在で利用者がゼロの見込みとしていた。
7日(火)の決算特別委員会で、秋元智憲議員(公明党)の質問に対して、市教委生涯スポーツ課は、「平成19年度はジャンプの大会がなく、芝生の手入れをしておらず、雑草が生えて固くなって座ったり出来ないので、夏期の遠足にも使われなくなった」と、平成19年度の利用者が、見込み通りゼロだったことを明らかにした。
利用者ゼロの施設に、管理経費だけでも約100万円かかっており、赤字の小樽市の税金の無駄遣いの象徴のひとつともなっている。
市教委では、ジャンプ大会を開催すると経費がかかるため、「歩くスキーやスノーシューなどのイベントをやりたいと思っているので、民間の話を聞いている」と、本来の使用目的であるスキージャンプ大会ではなく、ジャンプ台を利用しない冬のスポーツイベントの開催を検討している。
13億円の豪華ジャンプ台は、今では利用する人も金もなく、管理経費だけが税金で出ていく。雪が積もっても、使えない豪華ジャンプ台は、ひっそりと望洋台の山奥で眠り続ける。
◎関連記事