小樽市保健所(富岡1)の外岡立人所長(63)が、このほど、市長に辞表を提出し、8月29日(金)に受理され、9月1日(月)付で退職したことが、2日(火)に分かった。
外岡氏は、北大医学部卒の医学博士で、小児科専門医。海外での研究生活等を経て、2001(平成13)年7月から、第6代所長として公衆衛生の第一線に立っていた。医師として、早くから鳥及び新型インフルエンザの危険性に注目し、自ら最先端情報を収集してインターネットで発信し、多方面に大きな影響を与えていた。
保健所は、地域住民の健康や衛生を支える重要な公的機関だが、今回の外岡氏の退職で、小樽市保健所は、所長不在の事態を迎えることになった。
突如退職した外岡氏は、「定年まで1年半なのに、かなり疲れていた。昨年暮れから不眠症になっており、精神的にも疲れており、春にも辞めようと思っていた。このため、市議会で席に座っているのも苦痛になった。鳥インフルエンザの最新情報を集めるのにも、力を使いきった。所長として、小樽市保健所を鳥インフル対策の全国モデルになるように引っ張っていくのには、経済的・人的にも無理があった。新型インフルは、いつかは必ず出るから、保健所長の肩書きを離れて、これからも一人の医師として新型インフルエンザ問題では、国に対してハッキリものを言いたい」と話している。
後任は、2、3ヶ月以内に選任することにしているが、当面は、山田勝麿市長が所長を務める。
市立小樽病院でも医師の退職が相次いでおり、医師である保健所長の外岡氏の退職は、市の保健医療行政に大きな穴が開いたことになる。病院と保健所の相次ぐ医師の退職は、ダブルパンチとなって市に痛撃を与えている。
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