総務省の公立病院改革ガイドラインに沿って改革プランの素案作りを進めている小樽市は、特例債の導入を目指して作成した「公立病院改革プランの骨子」を、29日(月)に明らかにした。市は、30日(火)に開かれる市立病院調査特別委員会に提出することにしている。
骨子では、2009(平成21)年度から2013(平成25)年度までを対象期間とし、公立病院として今後果たすべき役割(概要)や一般会計における経費負担の考え方(繰出基準の概要)、経営効率化に係る計画、公立病院としての医療機能に係る数値目標(主なもの)などを掲載し、2008(平成20)年12月末日に素案を策定するとしている。
この中で、市は、18億8,000万円の特例債が導入出来れば、現在37億円ある不良債務を2010(平成22)年には解消し、翌2011(平成23)年に経常黒字に出来ると、そろばんを弾いている。
収支計画では、2008(平成20)年度の医業収益を、当初の85億3,400万円から81億2,700万円に減らし、この差額の4億700万円は、患者減と医師退職による収益減が要因としている。しかし、市は、18億8,000万円の特例債の導入などで、2007(平成19)年度の37億8,500万円の不良債務を、2008(平成20)年度には、14億100万円に減少させるとしている。
特例債は、長期債務として7年間で償還するため、2009(平成21)年度から、毎年、利子を含んで2億8,800万円を一般会計から解消していくという、机上のそろばん勘定をしている。
2009(平成21)年度には地方公営企業方の全部適用によって、事業管理者を置き経営の効率化を図り、病床数も削減して、総務省の基準数値の許可病床率70%以上を目指すとしている。
この収支計画を含む「公立病院改革プランの骨子」は、再編ネットワーク化協議会の委員たちに示されないまま、30日(火)の小樽市議会市立病院調査特別委員会に提出される。同時に、6月4日から4回にわたって行われてきた再編ネットワーク化協議会の中間報告と参考資料も提出される。
市の骨子は、特例債欲しさに総務省の各基準数値に、無理矢理、数字合わせをしたもので、病院の経営実態と、今後の市の財政状況から、大きくかけ離れる公算が大きい。市の単なる数字合わせの机上プランで、果たして総務省の了解を得ることが出来るのか。
◎公立病院改革の骨子
◎市立病院改革プランに係る再編・ネットワーク化について(中間報告)
◎参考資料
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