総合博物館特別展「ピリカ・モシリ 現代に生きるアイヌ工芸」


 120点を超える現代工芸作家の作品などを展示する特別展「ピリカ・モシリ 現代に生きるアイヌ工芸」が、8月30日(土)~12月7日(日)、小樽市総合博物館で開かれる。
 この展示は、今年6月、アイヌ民族が日本の先住民族であると国会決議したことを記念して企画された。
 アイヌ工芸は、近代に入り、厳しい環境の中で伝承が困難な状況に陥った。しかし、現在、固有の文化に対する深い思いを持つ人々によって、多くの若い工芸作家を輩出するようになった。このため、特別展では、「アイヌ文化のもつ可能性、奥深さを市民・来館者にアピールしたい」と、アイヌ工芸の歴史的背景や伝承技術、作家の育成を目的としたコンクール作品、新しいアイヌ工芸などを紹介する。
 会場には、切状木綿衣のルウンペやカバラミブ、樹皮衣のアットゥシなどの服がずらりと並んでいる。ショーケースには、木の皮を剥いで糸をつくる技術、海に落ちた時に軽いという理由で倭人がアイヌ人から買ったアツシ、トコリ(五弦琴)やイリマキリ(小刀)の木彫。アイヌ民族の模様などを取り入れた現代的なパーティードレスやジーンズも展示されている。
 石川直章学芸員は、「木彫や刺繍の細かい技術を見てもらいたい。アイヌ人たちの技術力、デザイン力のすごさを知ってもらいたい」と話している。
 この特別展期間中の9月13日(土)10:00~15:00、同館内で、アイヌ文化伝承の会手づくりウタラ主宰の小川早苗氏による体験講座「アイヌ刺繍(ししゅう)を学ぶ (初級編)」が行われ、伝統的なアイヌ模様を学び、コースターにアイヌ模様を刺繍することが出来る。料金:入館料(大人400円・高校生と70歳以上の市内在住者200円)と材料費1,000円。
 23日(火・祝)10:00~15:00には中級編も行われ、アイヌ模様を刺繍したテーブルセンターを作製する。入館料と材料費2,000円。こちら 
  「ピリカ・モシリ 現代に生きるアイヌ工芸」