小樽市の南西15kmに位置する忍路湾の静かな入り江に建つ、北海道大学忍路臨海実験所(忍路1)の100周年記念誌が、このほど完成した。
同所は、北大水産学部の前身・東北帝国大学農科大学水産学科の付属臨海実験所として、1908(明治41)年に開設した。東京大学の三崎臨海実験所(明治19年設立)に次いで、全国2番目に建てられた。現在は、北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの「水圏ステーション」となっている。
2007年10月に開設100周年記念式典が行われ、約60名の関係者とともにに実験所の歴史を振り返った。
6月発行の「100周年記念誌」は、A4版134ページ。表紙を開くと、開設当初の施設から、大正、昭和、現在の姿や学生たちの様子を収めた写真が並び、笹賀一郎センター長の「忍路臨海実験所の100周年を迎えて」や後藤晃実験所長の「忍路臨海実験所の100周年の思い」の挨拶が載っている。
さらに、100周年式典の様子、「北大の臨海実験所と私」、「臨海実験所の思い出」など9つの寄稿文なども添えられている。
「夜の灯火採集では、擬態している小さなカレイやふわふわ漂っているようなクラゲを見て、きれいな色や不思議な形や動きを学生たちは競うようにして探します。そして実験所にもどって、きれいな色や不思議な形や動きをするプランクトンなどを面白がって観察してます。学生たちは忍路の実習を通して、いろいろな経験をし、今まで見たことの無い生き物と出会うのです」(札幌科学技術専門学校・山崎早智子) と当時の雰囲気も綴られている。
このほか、資料集や論文リストなども添えられている。開設100周年の記念行事を報じた小樽ジャーナルの2007年10月の記事も1ページで紹介されている。https://www.otaru-journal.com/2007/10/100_24.php
問合せ:011-706-2572 Email:kyoryoku@fsc.hokudai.ac.jp
◎北海道大学北方生物圏フィールド科学センターHP