海の水泳講習会 113年の歴史に幕

suiei.JPG 1895(明治28)年から113年もの間、小樽の海水浴場で続けられていた「小樽市水泳講習会」が、今年でこの永い歴史に幕を閉じることになった。



 この水泳講習会は、1895(明治28)年、「小樽の子供たちを元気な子にしようと」、会津藩士の大竹作右ェ門らが講師となり始まった。1916(大正5)年には、市が主催となり、現在の講習会の基本が確立。1971(昭和46)年には、ひと夏に1,584人もの子供たちが参加した。
 
suiei.JPG しかし、少子化や指導員の高齢化、海水浴離れなどで、参加者は激減した。昨年は、118人、今年は83人となった。参加者の減少から、講習料8,500円(6日間)を維持することが困難となり、値上げも出来ず、市の赤字財政の煽りもあり、今年が最後の講習会となった。
 113年目の最後の講習会は、7月28日(月)からスタート。子供たちは、各地域ごとの班に分かれ、水なれ、顔つき、バタ足など初心者講習を受けた。この日は生憎の曇り空となり、気温も水温も低かった。講習会開始の10:30現在、気温は21℃、水温は21.5℃で、「本州では泳がせない水温」 (講師) と北国の海水浴の厳しさを痛感させた。しかし、子供たちは、元気良く、バタ足などの練習に没頭。海水浴場に子供たちの声が広がっていた。
 元気に講習を受ける子供たちの姿を眺めていた講師は、「海では出来なくなるが、プールなどで出前講習などが出来れば、この歴史と伝統を守ることが出来る。本当は、市の補助金がもう少し多く出れば、子供や講師が少なくても講習会を続けることが出来るんだけどな」 と話していた。