市立病院の収支計画 2ヶ月で頓挫 予算特別委員会


yotoku1.jpg 小樽市議会第2回定例会の予算特別委員会(菊池葉子委員長)の総括が、6月23日(月)13:00、市役所別館第2委員会室で開かれた。
 この質疑の中で、市立病院事業会計が取り上げられ、新年度に入って4、5月のわずか2ヶ月で、入院・外来患者数とも、市が計画した数字よりも下回っていることが明らかになった。
 4月の入院患者数は383人で、計画の391人よりも8人少ない。外来は816人で24人減。5月の入院は373人で14人減、外来は833人で7人減少した。これは、今年度の市の計画より、2ヶ月で5,600万円不足する。単純計算で1年間では、3億3,800万円も減少することになる。
 このため、北野義紀委員(共産党)は、「4月、5月が落ち込んで、医業収益が年間で3億3,800万円の減になる。さらに、医者が辞めることで、合計で5億3,800万円足りないことになるということでよろしいか」(北野委員) と質した。
 「4月、5月の平均で3億3,800万円の減となる。平成19年と20年の4、5月を比較すると、900万円の落ち込みになる。医師が減る中で、収益を確保することは厳しいが、後任には派遣で診てもらい医療を継続し、これからの改善で最大限の努力をする」(小樽病院事務局) と答弁した。
 「昨年に比べて900万円の減だと言ってるが、今年度の計画に対して4、5月で5,600万円も落ち込んでいるのだから、今年の不良債務解消分の5億3,700万円を確保できるのかを聞いている」(北野委員) と質問。
 「昨年までに病棟の再編だとか委託化、給料カットなど、即、収支に影響するものは結構やり尽くしている感がある。医師の減は決定的な収入不足の要因で、ドクターが抜けるのが予定されているが、収益確保がどれだけできるか、各病棟の分析をしながら、どうしたら診療がスムーズにいくかを調べる。経費も事務局など各部局で目標をたてて達成させたい」(吉川勝久事務局長) と、曖昧な答弁を繰り返した。このため、「決意はいらない」 と、一蹴された。
 「確かに2ヶ月だけの収益をみるとそうなるが、1年間の傾向は中々つかめないので、平均数値で表した。5月はどうしてもGWと重なるので、入院は落ちる。4、5月のぶれが通年続くかは、推移を見ていかなきゃならない。楽観はしていない。どこに収支が落ちているか分析して、圧縮できなかった分は経費を節減していくしかない。今年度の5億3,700万円をきちんと解消出来るのか、23年までのスパンで出来るのかを考えなきゃいけない」(吉川事務局長) と、お役人答弁に終始した。
 また、成田祐樹委員(平成会)は、「病院経営の有識者にアドバイスをもらうと言っていたが、誰のことか。もうもらっているならどんなアドバイスをもらっているのか」 と質問。「北大の地域医療政策、病院経営を専門とする先生のアドバイスをもらっている。改革プラン策定のアドバイスをもらうのはもちろんのこと、当院の実態把握、経営改善の手法についてのアドバイスをもらっている」(小樽病院総務課長) と答えた。
 「現在のところ全部適用を導入している250ヶ所の病院の中で、参考にする病院はあるのか」 との質問に対し、「特にどこの病院を参考にするということはないが、基本的には管理者の選任や経営改善の具体的な方法など、鹿児島市、埼玉県、川崎市において全適で成功した武(弘道)先生の考え方が参考になると思う」 (病院事務局) と、あくまでも全適に固執する姿勢を示した。
 この日の予算特別委員会(総括)では、付託されていた平成20年度小樽市一般会計補正予算や福祉医療助成条例の一部を改正する条例案など議案4件が、全会一致で可決された。24日(火)は、各常任委員会が行われる。
 関連記事1