6月7日(土)14:00、市立小樽文学館(色内1)で、ギャラリートーク「小林金三氏、小樽を語り、絵を語る」が開かれた。
同館では、4月5日から6月8日まで、企画展「小林金三画展・小樽 街と家並み」が開催中。元北海道新聞社記者の小林金三さん(84)が、小樽赴任中に描いた日常的な小樽の街並の絵画約100点を文学館に寄贈したため、同館で展示されている。
ギャラリートークには、約60名の市民が参加。ごく普通の小樽の街並が描かれた作品が並ぶ会場で、小林さんの小樽の想いに耳を傾けた。
「昭和21年に入社し、自ら希望して小樽に赴任することになった。腰を据えようと、小樽に家族を連れてきた。今でも、子供たちは小樽が一番良かったと言っている。花園町に行けば何人でも挨拶出来るので、良く飲みに出ていた。
市内の絵描きは、運河や銀行周辺を良く描いていたが、誰も日常的な小樽を描いていなかった。自分の足下の宝に気付いていなかった。葉のない春先に、誰か分からないように風呂敷で顔を隠して、店などの建物の絵を描いた。10年間小樽を離れたら、有幌の倉庫群や建物が消えていて、悔しい思いをした。でも、多少は残っていたので、スケッチに没頭した。都会は、機能を大事にするため、建物もシンプルなものになり、特徴的なものがない。小樽は贅沢な町で、手の込んだ家を造った先人たちが多くいて、素晴らしい。
運河や有幌は、手をつけないでほっといたから良いものが残った。運河はもともと臭くない、臭くしたのは市民。運河は倉庫と一帯で運河だ。車が通らなかったら、今でも周辺で何でも出来たと思う。そして、有幌の倉庫群が残っていれば、世界でも珍しい地域になっていた。潰してしまったのは罪だ。これは小樽を愛するための苦言。小樽の人たちは行政におとなし過ぎる」 と、小樽への想いを語っていた。
企画展は、6月8日(日)まで。
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