市内の海側を走る臨港道路の歩道に植えられた街路樹の根元に生える雑草の除草で、車道側だけが刈られ、歩道側が放置されているため、市民から、「市は、人の安全より、車の安全を優先するのか」と”怒り”の声が上がっている。
小樽運河より海側にある市道「臨港道路小樽港縦貫線」は、手宮のホーマックから東小樽交差点までの約5km区間。この道路の両歩道(約2m50cm)には、約200本のナナカマドの街路樹が並んでいる。このナナカマドを保護する”植樹マス”は各1m×1.5mで、春から夏にかけては雑草が生い茂る。雑草は、すでに人の腰を超える約1mぐらいまで伸びている。
この道路を管理する市産業港湾部の港湾室では、運河ロードレースの開催前に、この5km区間の雑草の除草作業を行った。除草方法は、植樹マスのちょうど半分の車道側だけを刈りとり、歩道側はそのまま放置し、虎刈り状態とした。このため、市民から、「市の除草は、人の安全よりも車の安全を優先し、この歩道では車イスも通れない」 と、批判の声が本社にも寄せられた。
同道路の月見橋から旭橋にかけての歩道を見渡すと、見事な虎刈り状態が現出している。さらに、歩道の端からもすでに雑草が高く生い茂り、歩道が狭められ、人一人通るのがやっとの状態となっている。
この中途半端な除草作業に対して、苦情の電話をした市民に、市港湾室では、たまたま担当者がおらず、「車のために除草しているので、歩道側の除草をする予定はない」 と答えてしまったという。問い合わせた市民は、これに怒り、本社に情報を寄せた。
市港湾室は、「この除草作業は、毎年4月から7月末までの4ヶ月間、車道側と歩道側に分けて実施している。今年度は、約70万円かけて行っており、車道側の除草はすでに終了している。万が一、車の事故が発生してしまうと大変だからで、6月22日(日)には、運河ロードレースもあり、作業効率面からも車道側の除草を優先的に行った。今回、問合せがあった場所に関しては、これから優先的に行う」 という。
市の除草作業ひとつとっても、市民の厳しい視線が注がれる。苦情電話ひとつでも、市側の配慮ある対応が必要だ。市は、草刈ひとつとっても市民の”怒り”を招かぬように、市のHPなどで情報公開して、市民に周知徹底することが求められている。