50年前の制作時の美しい姿によみがえったブロンズ製の「少女の像」(小樽公園内)に続き、このほど、旭展望台の「安達与五郎像」と北運河の「かもめを呼ぶ少女」の2体も制作時の姿に戻った。
絵葉書販売収益で市内にある像の修復事業を進める「小樽の像を守る実行委員会」(事務局・小樽市民会館)は、4月に小樽公園の「少女の像」を修復した。続いて、5月には旭展望台の「安達興五郎像」、6月には北運河の「かもめを呼ぶ少女」を修復し、元の輝きがよみがえった。
「安達与五郎像」は、民選第2代市長として、昭和20年から4期16年在任した安達与五郎氏の業績を称え、昭和42年に建立された。「かもめを呼ぶ少女」は、小樽市が、昭和62年度の“潤いあるまちづくり”優良地方公共団体自治大臣表彰受賞したことを記念して、財団法人日本宝くじ協会の助成によって、平成2年建てられた。
この2体は、「少女の像」と同じく、小樽出身の彫刻家・斎藤吉郎氏が制作した。小樽の像を守る実行委員会では、「当初は少女の像一体の修復を考えていたが、三体分の修復費用が集まった」 として、この2体の修復を実施した。
「かもめを呼ぶ少女」は、北運河の散策路に設置されており、細い腕を上げて、かもめを呼んでいるポーズが特徴。しかし、修復されないまま、年数が経過したため、顔や体に緑青が付着し、汗や涙を流している格好となっていた。
この3体の修復を記念して、小樽市民会館(花園5)では、7月12日(土)14:00から、「少女の像修復記念音楽祭」を開催する。2部構成で、第1部では、市内と札幌の合唱団の歌声披露、第2部では、絵本の「幸せな王子」(原作:オスカー・ワイルド、㈱リトルモア発行)のスクリーン上映となっている。映像に合わせて、ヴァイオリンの生演奏と物語の朗読が行われる。
「市民の方々の関心が高く、絵葉書を販売してから約7ヶ月で、3体分の修復費が集まって良かった。今回の修復で、また資金は枯渇してしまったが、今後も、新たなグッズ販売で、修復活動を継続したい。小樽には、約100体の像があると聞いている。市民の方々に小樽にある像を知ってもらいたいので、7月1日から、小樽の像のある風景の絵画と写真コンテストを行いたい」(寺田龍吾・市民会館館長)。
財政赤字の小樽市が放置しているブロンズ像を、市民が市に代わって甦らせる。
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